【インサイトナウ編集長鼎談】「残念なDX」第2回:DXの誤解と失敗の原因(1)

2024.01.31

経営・マネジメント

【インサイトナウ編集長鼎談】「残念なDX」第2回:DXの誤解と失敗の原因(1)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

前回の「残念なDXからいかに抜け出すか DXにはマーケティングが欠落している?」(https://www.insightnow.jp/article/11890) 第1回は、日本企業のDXに存在する「残念なDX」現象をテーマに、顧客志向が弱いこと、そもそも成功なのか失敗なのか明確でないという話をしました。今回はDXの誤解と失敗の原因について、さらに一歩進んだ話をしたいと思います。

金森 E・M・ロジャースのイノベーション普及曲線によると、市場にはイノベーターが2.5%ぐらいいると言われています。ただしマニアックな人たちなので、その人たちが受け入れたからといって市場に広がるとは限りません。次の段階のアーリーアダプター、いわゆる目ききの人たちは12.5%ぐらいいると言われていて、その人たちが一般大衆に伝えていきます。このイノベーターとアーリーアダプターをあわせた16%が、キャズムを超えるか超えないかのカギを握ることになります。普及曲線では市場全体についての比率を示していますが、組織内についても同じようなもので、やはり「キャズム越え」が必要だと思います。

猪口 僕が『DX白書2023』で気になったのは、DXに取り組んだ会社は多いのに、その半分以上がD Xに関して「戦略はない」と答えていることです。

金森 「戦略」にはさまざまな定義がありますが、一番簡単な分解をしてみると、「戦略=目的+優位性」になると言われています。その「目的」が不明確で、さらに自社のどのような「優位性」を構築するか、どう生かすかというところも不明確なままでスタートしてしまっている。まさに「戦略がない」という状態なのが問題です。

富士 金森さんのアーリーアダプターの話ですが、私がシステム会社の人財育成をしていた時、「社員の3割ほどをイノベーティブな人材に育てるべきだという企画書を書いたことがありました。すると当時の上司から、この会社はイノベーターよりも地道にシステムをつくる人のほうが大事で、イノベーションを考える社員は少しでいいと言われたのです。私がイノベーション人材は30%必要だと考えるのに対して、その部長は6%ほどでちょうどいいだろうと。私もシミュレーションしてみた結果、まず目指すボリュームとしては納得してイノベーターを育てることよりも、その他の社員をフォロワーとしてイノベーションを理解すること、イノベーターが思いついたことをフォロワーが共感し、一緒にやることが大事で、フォロワーも育てなければいけないと改めました。計算してみると、たしかに6%くらいがちょうどいい。ちなみに同じ話を当時の社長に尋ねてみたところ、社員全員がイノベーション人材であってほしいという答えでした。まー理想はそうですね、立場が変わるとそれぞれ考えるボリューム感がこうも違うのかと思いましたね。立場によってイノベーションの定義も違うし、イノベーション人材の必要人数も違う。おそらくまだまだイメージの域で、正解がない話なのだと思います。

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