サイバー戦争に、企業はどう備えるか

2012.01.27

IT・WEB

サイバー戦争に、企業はどう備えるか

トッテン ビル
株式会社アシスト 代表取締役会長

企業経営者がすべき考えるべきことはいくつもあるが、その一つはリスク管理である。

この電磁パルス兵器は、空爆や核攻撃のように直接の死傷者は発生しない「非致死性兵器」だとされるが、社会がそれだけ混乱すれば、間接的、また時間の経過とともに多くの人の命が奪われることは間違いない。このような兵器をアメリカをはじめ数カ国がすでに開発、保有しているという。

アメリカ議会は昨年、アメリカやその同盟国、またはアメリカの国益を守るためにサイバー戦争を行う決定権をペンタゴンに認可した。これは国防認可法(National Defense Authorization Act)の中に明記されており、この中には大統領が米国民を監禁したり拷問することができる権利も含まれている。もちろんアメリカはサイバー戦争が合法化される前からも、海外に対してサイバー犯罪を行ってきたことで非難されている。たとえば、すでにイランのネットワークに、スタックスネットコンピュータウイルスを入れたとされる。これに対して、イランもサイバー攻撃を行い、アメリカの無人機プログラムから情報を傍受したという。すでにサイバー戦争は始まっているのだ。その上アメリカ議会が認可したとなれば、これからアメリカは「アメリカの国益を損なうことをしているという疑いのある国」に対してでも、電磁パルス攻撃をしかける権利がオバマ大統領に与えられたということを宣言したに等しい。

私が心配しているのは、こうして日米サイバー戦争が開戦することではない。いや、もちろんそれも心配であるが、そんなことになれば日本に多くの技術を依存しているアメリカ自身が困ることになるのでその可能性は少ないと思っている。

私が心配しているのは、そのような技術があるということは、国家レベルでなくとも、テロリストやまたは特定の地域を狙って電子機器をダウンさせるような攻撃がなされた場合だ。そして運悪くその地域に入ってしまえば、いま我が社のなかで電子形式のみで保有しているすべての情報が破壊されたら、または復活できなければ、企業の存続は難しいだろう。顧客や製品のデータ、経理関係、給与関係、それら電子的な記録の大部分が失われたら、それも瞬間的に、これはSFのような話しだが、しかし現実にその脅威は存在する。

アメリカのペンタゴンの戦略家たちはこの技術とそれがもたらす脅威を認識している。しかし公言することはないし、私がそのためのリスク管理、といっても多くの人はまたビルはおおげさな、というかもしれない。しかし、原子力発電所の事故が実際に日本で起きたではないか。それで何万人もの人が、家や土地、仕事、故郷を捨てざるおえないような状況に日本はなっているではないか。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

トッテン ビル

トッテン ビル

株式会社アシスト 代表取締役会長

1969年、米国の大手ソフトウェア会社の一社員として市場調査のために初来日し、1972年、パッケージ・ソフトウェア販売会社アシストを設立、代表取締役に就任。2006年、日本に帰化し日本国籍取得。2012年、代表取締役会長に就任。

フォロー フォローしてトッテン ビルの新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。