思考停止組織の作り方

2009.06.10

組織・人材

思考停止組織の作り方

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

なぜ、従業員は考えて仕事をしないのか。思考力を鍛えることは、考える組織を作ることにつながるのだろうか?

経営者が従業員に対してボヤクことの一つに、「考えて仕事をしていない」「何も考えずにやっている」というものがあります。頼んだ業務は言った通りのそのまんまで、工夫もヒネリも進歩も驚きも何もない。思考停止状態で仕事をしているように見えるし、そういう仕事ぶりが不満・不安だ・・という話です。

だからといって「思考力をつけさせよう」と考え、思考法を勉強させるというのはギャグで、コンビニの前にウンコ座りしているヤンキーに茶道を教えようとするのと同じ。ボンボン政治家に庶民生活のリアリティーを理解しているフリをさせようとするのと同じ。そういうスタンス、マインドになっていないのに技を教えたって無理というものです。

思考の入った仕事が行われるためには、次のような条件が必要です。

①何のため(誰のため)にするのかという目的
②どの程度のレベルを期待されているのかという基準
③自らの判断・裁量でやっていいことの範囲
④結果に対する賞賛や寛容への期待
⑤絶対の答を持つ人はいないという前提

目的とクリアすべきハードルの高さが明確になっており、取り組んだ結果に対する周囲の反応に期待が持つことができる。更に、一定の裁量があって、その仕事の成否は自分次第なのだと思える状態です。仕事をする環境が、そのような状態にあるのかどうか。つまり経営者は、従業員の思考力がないこと、従業員が思考しないことを問題とすべきではなく、“思考力を失わせてしまっている環境”を問題として捉えるべきです。

例えば、「絶対の答を持つ人はいないという前提」。トップや上司が、今の立場を笠に着たり過去の経験に物を言わせたりして、まるで工場でモノを検査するように現場の仕事を「ヨシッ」「ダメッ」とやっていると、絶対者に採点される訳ですから答え合わせをするような腰の引けた仕事ぶりになっていきます。

絶対者の意向やイメージや好みを汲み、探り、その通りにやることは思考停止そのもので、これに横並びが重なれば見事な思考停止会社の出来上がりとなります。思考する組織を作るには、これ以外の「目的」「基準」「裁量」「賞賛・寛容期待」といった観点からも、制度・ルール、コミュニケーション、マネジメントを見直すことが必要です。

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(マネジメント・リーダシップ・人材育成・採用)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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