したたかなロッテリアのフォロアー戦略?

2009.05.27

営業・マーケティング

したたかなロッテリアのフォロアー戦略?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

マクドナルドのクォーターパウンダーに代表される大型プレミアムバーガーにウェンディーズが「パインBBQバーガー」、モスバーガー「W(ダブル)シリーズ」で参戦。昨年、スタート時には限定発売でブームを巻き起こしたロッテリアの「絶品チーズバーガー」はどのような一手を売ってくるかと思ったら、ベーコンを挟んだ「絶品ベーコンチーズバーガー」に「進化した」とするマイナーチェンジ以来動きがない。

日経MJ5月27日15面フードビジネス欄。<ロッテリア 低価格品で巻き返し 一部バーガー50円引き 100・150円飲料も拡充>とある。ロッテリアの戦略はプレミアム路線ではなく、低価格戦略に主軸を置いていたようだ。
記事には以下のようにある。<昨年、「絶品シリーズ」などの高単価商品の人気で復調しかけたが、競合するファストフード店の値下げ攻勢で失速。従来の高付加価値路線は維持しながらも、目先は集客の目玉となる低価格品の充実を優先させ、他社に流れた客を取り戻す>。
長引く不景気の影響で財布の紐が固くなった消費者によって、ファストフードは好調である。外食産業全般が低価格化を進める一方、ファストフードもさらなる低価格路線を強めているのは確かだ。選択と集中。大型プレミアム路線に無理に参戦せず、低価格集中というロッテリアの戦略は確かにありかもしれない。

しかし、悲しい情報があった。<6月19日に発売する「タンドリーチキンサンド」は昨夏、ナンを使い330円で発売した。今年は通常のハンバーガー用のパンに変更。価格を50円下げて280円にする>。
・・・頼んでない。こればっかりは頼んでいない。確かに、高いよりは安い方がいいだろう。しかし、ナンに包まれていてこその、「タンドリーチキンサンド」ではないのか?何やらちょっと堅めのバンズにガッツリと挟み込まれているタンドリーチキンの新聞写真からは、昨夏のあの味の記憶がよみがえってこない。

新聞記事にはメニュー軒並み値下げの記載がある。ロッテリアの夏の名物、かき氷もシロップを変えて10円値下げだという。看板メニューまでスペックダウンして値下げ。値下げ原資は原料価格である。
マクドナルドは低価格路線の一方、高価格プレミアム路線も強化して、絶妙なマージンミックスを図っている。そんなファストフード業界無敵のコストリーダーに低価格路線で対抗し、流出した顧客を呼び戻すのはかなり無理な戦略ではないのか。しかも、看板メニューに付いていた自社顧客も失いかねない危険性がある。果たしてロッテリアの狙いはどこにあるのか。

ロッテリアの公式見解である「自社顧客奪還」と視点を変えてみると見えてくる。
前述の通り、外食、弁当などの中食までも低価格志向が鮮明になっている。コンビニで250円弁当が売れる時代である。今まで利用していなかった層が、ファストフードにも足を運ぶようになる。
つまり、ロッテリアの戦略は、実は自社顧客奪還を狙いつつも、多くは外食低価格志向の新規顧客狙いなのだと考えるのは穿ちすぎだろうか。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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