しかし、相手の話したことの要点をうまいこと抽出し、一般化しまとめることは、常によい結果をもたらすとは限りません。
まず対話において、話し手が一生懸命に色々な説明を交えて説明するも、最後に相手から単純化されて「要は○○ってことでしょ」と言われると、たとえそれが要領は得ていても、何か不満感が残るかもしれません。 そして、 何よりも、いつも「要は○○でしょう」で済ませる習慣(反応)は、聞き手の持ち得る世界観を制限してしまいます。
私たちは、無意識レベルにおいて、心の中で「メンタルモデル」を形成します。これは、私たち一人ひとりが心で持っている内的な世界観のことです。そして、現実の外的世界から五感を通じて知覚した情報は、そのメンタルモデルで理解できる形にフィルタリング・歪曲された上で受け取られます。
同じように、意識レベルでも、私たちは自分の既に知っている過去の情報と照会しながら、物事を理解しようとします。 「要は○○」というのも、相手から聞いた話を一番近い自分の経験・知識にアクセスして、そこから抽象化して纏める行為をしているに過ぎません。
最近注目されているオットー・シャーマー氏の「U理論」においても、人とのコミュニケーションにおける聞き方の深さに関して、4つのレベルがあると説明されています。
1. ダウンローディングする (Downloading)
(既に知っていることを再確認している聞き方)
2. 事実に基づく (Factual)
(自分にとって新しいデータに焦点を当てる聞き方)
3. 共感・感情移入する(Empathic)
4. 生成的 (Generative)
「要するに○○・・」とは、このうちの、まさにレベル1の浅い聞き方である「ダウンローディング」に過ぎません。
この聞き方だけでは、聞き手はこれまでの枠組みから脱する機会を失ってしまう可能性があります。より深いコミュニケーションで、相手との対話から深い気づきや創造的な発見・生成を起こすには、「要するに・・」と自分の知っているものとの照合による理解だけでは十分ではありません。
「要は○○・・」と言いたくなったときに、そこでまとめてしまうことで新たな気づき・発見という価値を失う可能性があることを思い出しましょう。試しに「要するに・・」「要は・・」をしばらく禁止してはどうでしょう!
「要するに」は、要注意!
泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役
株式会社アウトブレイン 代表取締役
泉本 行志/Life & Style
「要するに○○ってことでしょ。」
私たちコンサルタントは、物事を一般化してパターン認識するのが好きな人種らしく、人の話を聞いて、最後にこう纏めたい欲を抑えるのが難しいようです。
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