スターバックスが初のアジア圏進出を果たしたのは1996年のこと。日本第一号店は銀座松屋の裏の小さな2階建て店舗だった。エスプレッソを主体とした「シアトルスタイル」と呼ばれるカフェの新規性がウケ、多くの客がつめかけた。筆者もその一人である。
以後、破竹の勢いで出店攻勢が続き、新たなカフェの形態の先駆けとして隆盛を誇ったのである。
スターバックスの成功のヒミツは何であろうか。
それは、今まで満たされていなかった顧客ニーズを見事につかみ取ったことだ。
96年当時は、旧来の「喫茶店」は衰退し、ドトールやベローチェに代表される新興の「低価格カフェ」が伸長していた時期だった。
マーケティングの4P的にいえば、提供される製品は旧来の喫茶店はサイホンで淹れたり、様々な工夫をしていたが、低価格カフェは機械で淹れる簡便なものだ。コーヒーのラインナップとしては、双方とも「ブレンド」か「アメリカン」ぐらいのバリエーションである。
価格は旧来の喫茶店が500~700円。低価格カフェは150円~180円。
それに対して、新たに日本に上陸したスターバックスは、エスプレッソマシンで淹れるコーヒーに、様々なフレーバーやトッピングを施し、最初のうちは客がうまくメニューを選べないほどのバリエーションを展開して見せた。その魅力的な商品を、「本日のコーヒー」であれば280円。トッピングやバリエーションを指定してもだいたい500円弱という中間価格帯で提供したのだ。
では、スターバックスの価値、言い換えれば「らしさ」はコーヒーのバリエーションと価格だけの魅力なのであろうか。いや、そうではない。
スターバックスが「らしさ」を失いつつある理由?
金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
金森 努/営業/マーケティング
スターバックスの大ファンであるが故に、何度もその問題点を指摘してきた筆者であるが、ある記事で問題の本質に触れることができた気がする。
その記事の要点を元に、再度、ここで警鐘を鳴らしたい。
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