エリートの不祥事と戦後教育の失敗

2018.04.22

ライフ・ソーシャル

エリートの不祥事と戦後教育の失敗

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/戦前の思想教育の反動で、いまやなんでもありの自由教育。だが、国家主義がまちがっていたというだけで、思想教育すべてを排除する理由になるのだろうか。それどころか、自由教育の実体は、アナーキズムという、まさに反社会的な思想教育そのものだったのではないか。/

昨今、官庁はもちろん企業でも、「エリート」と呼ばれる人々の不祥事が目立つ。彼らは、東大出のキャリア組。医師だの、弁護士だの、国家的な資格を持っていたり、ハーバードをはじめとする国際的な一流大学の留学経験があったりする。しかし、ウソつきで女たらし(男たらし)、自己擁護のためには組織も社会も巻き込んで、部下をも見殺しにする人間のクズ。

彼らはエリートだからクズなのではない。「勉強」ができた、というだけで、おそらく生まれながらに人間としてはクズだったのだろう。にもかかわらず、戦後という時代が、こういう生まれながらの人間のクズを「エリート(選良)」として組織や社会の上層に引き上げてしまった。クズをクズと責めても、直るわけがない。それよりも、誰を組織や社会の指導者、後継者とするか、そのシステムを見直す必要がある。

失敗の元凶は、戦後教育にあると思う。国語、数学、理科、社会、そして、英語。これらさえできれば、出世できてしまった。ただ知識や技術として有能だというだけ。人間性など問われる機会がなかったのだから、人間性に欠陥のある連中が上層に紛れ込むのは当然の結果。そして、組織や社会に、こういう悪人が入り込めば、その有能さを悪用し、策謀を巡らし、善人を押しのけ、トップにまで上っていく。

しかし、人間性の優劣、善悪など、だれにも決められないではないか、戦前の思想教育の失敗を忘れたのか、と言う。たしかに、戦前、国家主義という思想教育をやって、日本はおかしくなった。しかし、それは、国家主義が間違っていたのであって、思想教育すべてを排除する理由になるのだろうか。自由教育、まことに芳しい。だが、その実体は、アナーキズム(無原理主義)という、まさに反動の社会破壊的な思想教育そのものだったのではないか。

ヘルメットに鉄パイプで火炎瓶を投げ、大学や街を破壊していたアナーキストのテロリストたち。ああいう暴力的で反社会的な犯罪者は、ナチス並みに、時効を排し、死ぬまで、その犯罪や前科を糾弾され続けるべきだったのではないか。にもかかわらず、高度経済成長のドサクサで組織や社会に平然と潜り込み、カネ儲けに狂乱するバブルを引き起こし、重役まで登り詰め、いくつもの官庁、いつくもの企業を腐敗崩壊させ、その後もなお年金で国力を吸い取り続けている。そんなやつらが子飼いにして、その後のトップに引き上げた連中がまともであると期待する方がまちがっている。いまのクズ連中は、団塊テロリスト世代の最悪の置き土産だ。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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