夏休みは終りだ:猶予無き年齢期限

画像: photo AC: 灘伏見 さん

2017.08.20

ライフ・ソーシャル

夏休みは終りだ:猶予無き年齢期限

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/若者市場縮小で腐食企業が、年齢に縛られる必要なんてない、なんて言うが、あるライフ・ステージをムリに延ばすと、次のステージのハードルに確実に引っかかってしまう。そもそも延ばしたって、若い連中を相手に、もう勝ち目は無い。現実を直視し、年齢相応のリカバリを急ぐことの方が大切。/

 適齢期は自分で決める、とか、年齢に縛られる必要なんてない、とか。騙されるな! こういうことを言っているのはみんな、商売企業のCMだ。頭の悪い、すでに人生に失敗してしまっている落伍連中を見つけては騙し、永遠の金ヅルとして、その市場賞味期限を延ばし続け、骨の髄まで喰い潰すためのウソ。

 童心を忘れない、とか言って、オモチャを買い集めたり、アイドルを追いかけ回したり、ひがなマンガやゲームに明け暮れたり。かと思えば、中年にもなって、高校生よろしく、ド派手な服を着て、フェロモン満載で、だれだれとくっついた、離れた、結婚だ、不倫だ、と、目も眩む恋愛色情に飛び回ったり。こういう現実年齢を自覚しないバカどもこそ、若者市場縮小の少子化時代にあって、旧態企業の最高のカモ。

 本人に体力や金力があれば、いくつになっても、こんなことは、やればできる。だが、まともな人間は、やれても、やらない。なぜか。すぐ先に、次のライフ・ステージの年齢期限のハードルが控えているのを知っているからだ。むしろそっちを先取りした方が、のちのち有利なのが、わかっているからだ。

 永遠に夏休みなわけじゃない。子供時代の先には、恋愛時代があり、その先には仕事、結婚、育児、家庭、貯蓄、そして老後がある。いつまでも子供みたいなことをやっていたら、次の恋愛ステージの方の時間的余裕が無くなる。へたをすれば、オモチャで買い集め、アイドルを追い回し、作りもののマンガやゲームに呆けている間に、次のリアルな恋愛ステージの方が年齢期限切れになり、そのまま仕事時代に突入。それどころか、ぜんぶスルーしてしまって、気づいたら老後が目前。

 人生は後戻りができない。そのライフ・ステージの間に、そのステージにすべきことをしないといけない。もちろん、うまくいかないこともある。しかし、だからといって、その失敗を取り戻すのは、前と同じやり方では、絶対にうまくいかない。たとえば、二〇前後のうちに良い相手が見つけられなかったから、と言って、三〇前後になって二〇前後と同じようにチャラいままで恋愛をしようとしても、いよいよ相手なんか見つかるわけがない。ほんとうに若い二〇前後のライバルに勝てるわけがない。同様に、二〇代の新卒で就職に失敗したとしても、三〇代の転職で、二〇代の新卒と同じようなスッカスカの履歴書を持ってきたって、話にならない。

 失敗は失敗だ。期限までに、その年代にすべきことをクリアできなかったとすれば、自分勝手ないいわけをしたり、インチキ企業の甘言に騙されたりせず、その現実を正面から見据えて、その年代なりのリカバリの方法を取らないといけない。そこでは、三〇なら三〇なりの大人の魅力、大人の経験こそ、リカバリの鍵。そして、そこでうまくリカバリできれば、次のライフ・ステージでは、他の人と同じスタートラインで勝負できる。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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