結果ではなく原因にコミットしよう

画像: photo AC: bBear さん

2017.04.20

仕事術

結果ではなく原因にコミットしよう

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/きみは、あれこれバラバラの物事を、あれもこれもあちこち追い廻しているから、どれひとつも捕まえることができない。でも、きみ自身こそが、世界の元栓。それをきちんと抑えてしまえば、そこから派生する余計な面倒も抑え込め、きみがほんとうにすべきだったことに専念でき、夢を叶えることもできる。/

 世界は複雑だ。人生はややこしい。一人暮らしなんかすれば、仕事や学校だけでも手一杯でクタクタなのに、食事、洗濯、掃除、そのための買い物、ゴミ出し等々、とにかくやらなければいけないことだらけ。そのうえ、宅配便だの、ご近所のなんだかんだだの、なんだかわからない売り込みの勧誘だの、いろいろひっきりなしにやってくる。おまけに、夜中まで、ねぇ、ちょっと相談に乗ってよ、とか、変な友だちから、切るに切れない長電話。


 痩せたい、きれいになりたい、彼氏彼女がほしい、外国に行きたい、金持になりたい、等々、いろいろ希望はある。けれども、こんな毎日では、どうにもならない。それで、とにかく手っ取り早く、サプリで、整形で、出会い系で、英語教材で、ギャンブルで、ぱっと夢をかなえようと、すぐにあれやこれやに手を出す。それで、ただでさえ手一杯なのに、いよいよ毎日、手に負えなくなる。それどころか、サプリの濫用で体調を崩し、整形に失敗して変な顔、変な体になり、出会い系のせいで修羅場に巻き込まれ、英語教材のローンで留学のカネも無くなり、最後の一発逆転を狙ったギャンブルで、すべての希望まで失う。


 きみは、あれこれバラバラの物事を、あれもこれもあちこち追い廻しているから、どれひとつも捕まえることができない。いくら追っても、逃げ水のように、いつまでも、なにひとつ追いつけない。だが、それぞれはバラバラでも、世界そのものは、じつはバラバラじゃない。みんな因果関係で繋がっている。だったら、バラバラになる前の原因の方こそを抑えるべきじゃないのか。


 英語の常套句に、don't open a can of worms というのがある。直訳すれば、ミミズの缶は開けるな、ということ。缶から這い出てきて、部屋中を歩き廻り、逃げ回るミミズたちを探して集めて中に戻そうとしても、もうムリ。またすぐ逃げ出す。でも、最初から開けなければ、そんなことにはならない。


 帰省などで、しばらく家を空けるとき、ちょっと出てから、電気やガスの始末が気になる。ホットカーペットは切っただろうか、給湯器はどうだっただろうか、などなど、気になってくる。けれども、こういうとき、ブレーカーを落とし、元栓を締めておけば、あれこれ細々したことを心配する必要はない。同様に、カゼをひいてから、熱をおして薬を買いに出て、それでよけい症状を悪化させ、のたうち回るくらいなら、最初からカゼをひかないようにした方が簡単だ。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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