清盛たちをぶっ潰せ!

2012.02.11

ライフ・ソーシャル

清盛たちをぶっ潰せ!

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/清盛では、貴族の時代を終わらせると言ってのし上がりながら、いったん地位を握ると、自分自身はもちろん身内ばかりを貴族にして、他の武士たちを権力と武力で弾圧しまくり、それでかえって時代を戦乱へと混迷させ、一族もろともまで滅亡させた。/

国民的番組のはずの大河ドラマ『平清盛』の視聴率が第5回ですでに16.0%しかない。だが、その低視聴率さえ、世間で話題にならない。このままだと、『花の乱』(94年、平均14.1%)や『竜馬がゆく』(68年、14.5%)さえも割り込み、前半にして歴代最悪に落ち込む。まして後半は、清盛の所業からして、もっと率が悪くなるにちがいない。

どうせテレビマンたちの浅薄な発想だ。武士の時代を終わらせた龍馬が当たったから、貴族の時代を終わらせた清盛で行こう、くらいのものか。だが、清盛がどうやつだったのか、よく知らなかったのだろう。貴族の時代を終わらせると言ってのし上がりながら、いったん地位を握ると、自分自身はもちろん身内ばかりを貴族にして、他の武士たちを権力と武力で弾圧しまくり、それでかえって時代を戦乱へと混迷させ、一族もろともまで滅亡させた。同じ武士から貴族になったにせよ、長引く戦乱を収拾し、徳川へと続く四百年の平和の礎を築いた秀吉とはわけが違う。

今の時代、こんな清盛みたいなやつらがあちこちにいる。山猿のような田舎者のくせに、若い頃から赤にかぶれ、財閥解体・天皇打倒を叫びながら、主義のためと偽称して周囲の仲間を搾取しまくり、いつの間やら自分自身が小天皇になって、世襲王朝を開いてしまった連中。なんだ、ありゃ? だったら、最初から、余計なことなど言わなければよかったのに。

産業界はもちろん、学術や芸術、文化まで、戦後のどさくさでできた「名門」ばっかり。だいいち、いまの政権からして、清盛そっくり。自民党の官僚政治を終わらせる、と言って出てきたが、自分たちが自民党に取って代わっただけ。選挙公約なんか知らんぷりで、政策や態度まで自民党のものをまるまる引き継いだ。さらにタチが悪いことに、内実は全学連の残党だらけで、バックに官公労みたいなのがくっついているから、以前にも増して政府と役人を肥大させ、増長させ続けている。

いま、時代の敵、守旧派の正体は、貴族でもない、武士でもない、財閥でもない、天皇でもない。まさに清盛のような、チンピラ無法者、インチキ詐欺師の成り上がり、成り代わり連中だ。やつらは、伝統も無いから礼節も無い。教養も展望もない。保守と革新のダブルスタンダードを好き勝手に使い分け、目先の利益で軽挙妄動して、口先方便のやりたい放題。幕末維新、明治戦前の時代のリーダーのように、身を捨てて天下国家として生きることなど、はなからムダとバカにしきっている小人物たち。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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