国立大学と県立大学は統廃合が当然!

2012.01.08

ライフ・ソーシャル

国立大学と県立大学は統廃合が当然!

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/国公立の大学生は、全体の約二割。戦前のように、国立の学生が明日の国家の命運を担う、というのならともかく、旧帝大を除けば、のきなみ、一流私学の後塵を喫している。なのに、なんで、その程度の並の学生に、200万円/年も税金を出さんとならんの? /

大学経営に、なんぼのカネが必要か。おおよそ学生1人あたり250万円/年。これを「単位費用」と言う。もっとも、医学部は400万円、理系170万円、文系20万円と、学部間で大きな差がある。だが、日本の国公立の場合、学部を問わず、授業料は50万円/年そこそこ。私学だと、文系60万円~医学部1000万円/年。

文系のみの私学の場合、費用が20万円だから、授業料60万円でも、じつはボロ儲け。しかし、文系単科では、よほどプレステージがないと学生集めが難しいかも。そこで、経営安定とイメージ向上のために総合大学にしたいのだが、この場合、文系からの授業料で理系の連中の補填をする、なんていうことが起こってくる。うまく入学金や施設費その他を貯め込み、あわよくば医学部まで持って、大学病院を開けるようになると、これが大金を稼ぎ出して、大学全体が潤う。いずれにせよ、私学の場合、どうやって経営するか、それぞれの大学の理念や特色を踏まえて、学部学科構成と長期財務戦略が求められる。

一方、独立行政法人になったとはいえ、あいかわらず脳天気なのが国公立。一律の授業料50万円と、単位費用との差額は、結局、すべて国庫にケツを拭かせている。県立大学ったって、国からの地方交付税で自治体に補填されており、実態は国立そのもの。つまり、私学の場合、基本的に学生たちが自腹で大学の経費を賄っているのに対し、国公立の学生は、授業料との費用との差額200万円/年、4年間で800万円を、まるまる奨学金として国からもらっているに等しい。

国公立の大学生は、全体の約二割。戦前のように、国立の学生が明日の国家の命運を担う、というのならともかく、旧帝大を除けば、のきなみ、一流私学の後塵を喫している。なのに、なんで、その程度の並の学生に、200万円/年も税金を出さんとならんの? それで、その言いわけのように、近年、国が私大にも補助金を出すようになったが、1人17万円弱/年。しかし、4年間で国公立は800万円、私大は66万円、って、ちょっと、あなた、人をバカにしてない? 1票の格差が2.3倍でも違憲だっちゅうのに、12倍の格差って、国公立の学生って、私大の学生の12倍も偉いんかい?

とくに救いがたいのが、県立大学。ムダだらけの大阪なんか、市立大学まで持っている。ただでさえ、寄せ集めの駅弁国立大学だらけなのに、なぜこんなのがはびこったか、というと、大学が、箱物行政の化け物だから。図書館と博物館と県民運動場を合わせて県庁舎を新築するに等しいドカチン予算が国から付いた。それにみんなで群がって、各県ごとに国立大学と県立大学、さらに市立大学まで作っちまった。それさえ作れば、その後も、そのそれぞれの学生1人1人に800万円のお小づかいが国からもらえた。そして、その結果、県庁や市役所でふんぞり返る、「地元では優秀」な人材を育成しただけ。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。