嫌なら預けるな

画像: photo AC: 志紀 さん

2016.02.25

ライフ・ソーシャル

嫌なら預けるな

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/重厚長大産業の時代が終わって、いまの日本に大手銀行は過剰。顧客に金利も払わず、地方から吸い上げたカネでマネーゲームに興じるが、そのせいで地方は干からびるばかり。保育所や介護ホームなど、地元の事業を活性化したいなら、地元に資金が回るよう、地元の金融機関に、年金や給与の受取口座を移してしまおう。/

 いまWOWWOWでやっている『メガバンク』がものすごく不愉快。行員たちを守るため、この銀行を潰すわけにはいかない! だってさ。てめぇ、人のカネで好き勝手にマネーゲームやってて、よく言うよ。行員より、顧客を守れよ。顧客なんか紙の見せ金を積むだけでごまかせる、ちょろいもんだ、って、いったいどこまで人をなめているんだか。


 金融は経済の潤滑油で云々、とか、さんざん教科書でならったけれど、あれ、原発は安全、原発は必要、というウソと同じ。やっぱり屁理屈だと思う。結局、やつら、人のカネを集めて使っているだけで、何にも作っていないし、何も「社会」に貢献していない。どこか別の「社会」にカネを持って行ってしまって、それっきり。それがすべて。そのくせ、高給をせしめ、やばくなると、国に特例救済を袖の下で求める。自分たちを潰したら大変なことになるよ、って。


 嘘つけ。少子化で衰退確実のいまの日本には、もはや大手銀行が多すぎる。重厚長大産業の時代が終わって、資本では世の中は動かない。だから、資金需要そのものがない。それで、マネーゲーム以外、増やす方法が無い。保育所作れよ、介護ホーム入れろよ、活躍できないじゃないか、日本死ね、と思うなら、そもそも少額とはいえ苦労して貯めてきた大切な自分のカネを守りたいなら、ろくに顧客に金利もつけられない無能な大手銀行なんかからカネを引き上げて、地元の地方銀行や信金、農協などに預け替えた方がいい。


 カネは、力だ。もちろん、大手銀行からすれば、個々の個人の預金なんて、ゴミのようなもの。だから、金利をつける気もない。ほっておいても、カネはやってくる。そのゴミのような小銭の決済サービスを片手間でやってやっているのだ、くらいの高飛車。ところが、じつは、日本経済において、年金の総額は莫大だ。年間50兆円にもなる。つまり、国家予算の半分にも相当する巨額のカネが、毎年、高齢者などの年金口座に振り込まれている。給与も同じ。昔は企業グループの縛りがあったが、いま、どこの金融機関で給与を受け取るか、など、個人の自由。ローカルなところでも全国提携は当たり前。


 大手銀行は、長年、苦労して貯めきた年寄の貯金、サラリーマンやパート主婦の貯金を、小口とバカにして金利もつけずにいるが、老人たちが、サラリーマンやパート主婦がこぞって年金受取口座や給与受取口座を大手銀行から引き上げたら、その経営の根幹が揺らぐほどの影響力がある。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。