恋愛は美男美女の特権?

2015.04.27

ライフ・ソーシャル

恋愛は美男美女の特権?

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/昨今の恋愛はオークション。選ばれるのは一人だけ。入札に応募できるのは、ピラミッドの上の方だけ。それ以下に勝ち目は無い。でも、どのみち世界が違うなら、もともと関係も無いし、存在もしない。君にふさわしい相手は、君の世界のすぐ隣にいる。あとは、君が直接に会って話しかけてみようとするかだけ。/

 デパートやショッピングモールのレストラン街、すごいねぇ。有名店は、ずらーっと人が並んでいる。前の方はイスもあるが、そこから隣の店を越えてトイレの方まで立っている。一時間待ちです、なんて言われても、まだまだ後に並んでいく。あれ、ほんとうにそんなにおいしい店なのか? そりゃ、一度、並んで入ってみないとわかるまいし、いくら人がいいと言っても、自分の口に合うかどうか。一日中ひまな人はいいけれど、君のように仕事の合間なのにそんなところに並んでいたら、昼休みが終わってしまって、何も口にしないまま夜まで仕事だよ。


 情報化社会なのはけっこうだが、拡大しきった国境無き市場のおかげで、ピラミッドの上の方には、下の方からケタ違いの数のお客が駆け上ろうとするようになってしまった。それで、新発売だの、人気商品だのは、すぐに売り切れ、入荷待ち。なのに行列。レストラン、飲料や玩具なら、待っていさえすれば、いずれはきっと順番に買える。でも、限定品のオークションとなると、後から来たやつが高い入札で君を追い越していく。売り切れたら、そこでおしまい。待っていたって、絶対に君は手に入れられない。


 驚いたことに、恋愛でも、同じ現象が起こっている。まさにオークション。それどころか、締め切り無しに、ただみんなのビットだけをかっさらい続けて釣り上げるプロのアイドルまがいの連中もいる。それさぁ、いくら君ががんばって入札しても無理じゃない? いくら並んでいても、いくらカネと愛情を注ぎ込んでも、君が落札できる見込み、ゼロでしょ。だいいち向こうからすれば、君なんか絶対多数のワンオブゼムで、顔も名前も知らないよ。無償の愛。永遠に生きられるなら、それもいいけれど、四十になって一人っきりの部屋って、そのときになってから後悔しても遅いと思うけどなぁ。


 めかし込んで、着飾って、美男美女がいそうなおしゃれな場所に出入りするのもいいけれど、ごめんね、はっきり言うけれど、君に勝ち目は無いんだよ。客観的に見てごらん。世の中には君よりも魅力的な人がいくらでもいる。君は高学歴、高収入、高身長か? 中高のころから、ミスなんとか、ミスターなんとか、って、近所で評判だった? そうでないなら、時間と努力のムダ。落札できるのは、一人に、たった一人だけ。競争になるのは、ピラミッドの上の方だけ。それ以下は、壁の花、どころか、外に並んで待っているだけで四十越えのタイムアップ。きびしい言い方だけど、ただのストーカーで一生を終える。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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