猥褻はセクハラ

2014.07.16

ライフ・ソーシャル

猥褻はセクハラ

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/猥褻かどうかは、セクハラ同様、相手が決めること。まして、売りものにしたら、完全にダメ。アートかどうか、なんて、関係が無い。/

 アートだから、身体の現実だから、猥褻じゃない、なんて、屁理屈を言っているやつらがいる。アートだろうと、身体の現実だろうと、猥褻はワイセツ! 専門的な言い方をすると、猥褻かどうかは、事実問題ではなく、権利問題だから。

 ようするに、猥褻は、セクハラ! 芸術だろうと、表現の自由であろうと、ダメなものはダメ。すべての自由は、他人の自由の手前で終わる。出したい自由があろうと、見たくない、聞きたくない自由もある。それがアートであろうと、身体の現実であろうと、見たくない、ったら、見たくない。聞きたくない、ったら、聞きたくない。デスメタルがアートかどうか知らないが、そんなもん、個人のグループがかってに江ノ島の海岸に持ち込んでガンガン鳴らされたら迷惑。裸像も同じこと。

 山田君はいつも佐藤さんの肩に手をかけているのに、私が同じことをしたらなんでセクハラになるんだ? セクハラの定義はいったいどうなってるんだ? とか、わけのわかってないおっさんが、よくボケをかましているが、それは、オマエだからイヤなんだよ。セクハラは、事実問題じゃない。権利問題。される方が、イヤだ、ったら、イヤなの。ダメ、ったら、ダメなの。セクハラかどうか、アンタの側に決める権利は無い。

 猥褻も同じ。出す側がいくら、猥褻じゃない! なんて、大声で言い張ったって、それは越権。まさに猥褻。だれかにイヤがられた時点で、アウト。ミケランジェロだの、高村光太郎だのの彫刻はよくて、なんで私の作品はダメなんだ! って、それ、まさにおやじのセクハラの言い分とまったく同じ。オマエの作品だからダメなの。かなり有名な作家ですら、ヌードの彫刻とかとなると、公共の場の設置は世間の評価が厳しい。文句は、社会のだれもが、なるほどあの国際的にも高く評価されている作家の有名な作品なのだから、と認めるくらいになってからにしてくれ。ようするに、アートだかなんだか知らないが、変質者の裸コート男と同じなんだよ。不特定多数、つまり、相手かまわず見せつけて歩いたら、迷惑。ネットは、いまや子供もアクセスできてしまう「公共の場」なんだ。

 でも、セクハラ問題と同様、見せる方、見せられる方が合意の上で、特定のプライベートなところならいいんじゃないの、と言うかもしれない。私信のメールでエロ写真、エロデータをやりとりしているのに警察が手を出したら、そりゃ、たしかに警察の方が越権だ。じゃ、入場料を払って合意の上で見る美術館やストリップ小屋、有料サイトならいいんじゃないの? となると、今度は別の話になる。裸や性像が付随する銭湯や祭礼ならともかく、裸や性像を主として不特定多数に開放された有料の営業となると、性を売りものにしている、売春と同じ、ということになる。売春については、たがいに合意だからいいんだ、だれに迷惑をかけているわけでもないだろ、という人も世界には少なからずいる。が、すくなくとも現在の日本では、性は売りものにしてはいけない、ということが社会の基調になっている。本番手前までの風俗があるんだから、裸を見せてカネをもらったって、それくらい、いいじゃん、と言っても、現行法でダメなものはダメ。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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