イジメを無かったことにしようとするイジメ

2014.06.21

組織・人材

イジメを無かったことにしようとするイジメ

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/都議会のヤジの一件は、個人対個人のセクハラというより、集団的なイジメ、人権侵害の典型だ。問題を隠蔽し、犯人を隠匿し、すべて無かったことにしようとする連中は、同罪のセカンドレイパーにほかならない。/

 今回の都議会のヤジは、個人対個人のセクハラというより集団的な「イジメ」、人権侵害だろう。いいおとなたち、それも人の上に立つ政治家のやることじゃない。だが、それ以上に問題なのは、それを無かったことにしようとする周囲の政治家連中の体質だ。これこそ、典型的な最低最悪のセカンドレイプにほかならない。

 こんな連中が政治家なのでは、学校でのイジメが無くならないのも当然。それが無くならないのは、それを無かったことにすることで、無くすべきものを無くしてしまうから。なにを無くしたらいいのかさえもわからなくなる。

 議事録に無い、とか、名前が特定できていない、とか、だから、不受理だ、とか。しかし、いまや議会は録画されている。音声も確認できる。議事録に無いから無かったのだ、などという方便が通用する時代ではない。そのこともわからないくらい、時代錯誤の連中なのだろう。

 イジメと闘うには、すくなくともまず、そこにあってはならないイジメ、人権侵害があった、という事実を認めること。それが最小限の良識だ。その良識すら無く、そんなものは無かった、なにも問題は無い、というのは、すでにそれもまた人権侵害の犯罪だ。イジメを無かったことにすることこそ、まさに組織ぐるみの暴虐なイジメ。集団的なシカト。それがイジメである自覚すら無いとなると、もう人間としての本性からして腐ってしまっているとしか言いようがない。

 イジメは許さない。人権侵害は認めない。それを知った以上、問題に対して断固たる決意で立ち向かうのでなければ、それをなあなあで無かったことにしたらならば、イジメたやつ、そのイジメを隠そうとしたやつらと、きみも、わたしも、同罪になってしまう。許せないことを許せないと言い、いけないことをいけないと言うことこそ、イジメを止めさせる第一歩だ。

 口先だけで人権だ、女性だ、子育てだ、と言ったところで、「本音」は、陰でこそこそとヤジっているところにあるのだろう。人間の品性は、人の見ていないところで現れる。願わくば、連中が性根を入れ替え、犯人みずから反省し、二度と繰り返さない、とならんことをとは思うが、シラを切る犯人とそれを匿う連中の対応を見る限り、それは現実にはかなり難しそうだ。それなら、せめてあくまで「建前」を貫くよう、議会は議席まで完全に録画録音してしまえ。各テーブルのマイクをすべて常にオンにして、ヤジはもちろん私語まで拾って、いつでもだれにでも公開できるようにしよう。連中は、世人を代表し、真剣勝負の仕事として議会に来ているのだから、それくらいの覚悟があって当然だろう。そして、だれか人に聞かれて困るようなことを、公の議会の中でひとことたりとも口にするな。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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