短焦点プロジェクタで4Kは必然

2014.06.15

IT・WEB

短焦点プロジェクタで4Kは必然

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/たしかに液晶モニタやシネコンのスクリーンではHD=2Kもあれば十分。ところが、短焦点プロジェクタの劇的な登場で80インチ以上が当たり前になりつつあり、それとともに4K移行は確実だ。/

 ハイビジョンの次は4Kか、売れねぇよ、なんて言っているやつも少なくないが、短焦点プロジェクタの登場とともに、遠からず世界中のモニタが、すべて4K、HDの4倍、3840x2160(4096x2160)で統一されることになる。

 HD=2Kというのは、もともと35ミリのフィルムの画質相当。ところが、ブロックバスターと呼ばれるようなスペクタクル映画の名作大作は、昔から大劇場の巨大スクリーンでのロードショー用に、倍の70ミリのフィルムを使っている場合が少なくない。この意味で、作品は、4Kで撮影、保管しておきたい、というプロのニーズがあった。同様に、顧客側にも、マスターの70ミリ相当の高画質で見たい、というマニアのニーズがあった。

 しかし、テレビの場合、42型で、画面幅は930ミリ。これに1980画素なので、1画素0.5ミリ未満。ふつうのリビングルームの環境で、数メートル離れて0.5ミリ未満を、それも動画で認識できるほどの異常に鋭い動態視力を持つ人は、まず存在しない。その後、さらに大型のテレビも登場してきているが、そもそも、そういうものを置ける家庭は限られている。2006年以降のシネコンのデジタルプロジェクタなども、じつは2K(2048x1080、テレビのHDよりわずかに横長)しかない。いくらスクリーンが大きくても、そこから十メートル以上も離れてしまえば、リビングルームの視野角と大差ないからだ。これらの意味では、どう考えても、HD=2Kで十分。

 ところが、近年、短焦点プロジェクタの開発が急激に進展してきている。これは、従来のプロジェクタと違い、壁から十センチちょっと手前の足下に置くだけで80インチ(幅1800ミリ=1間)以上の画面を投影する。観客より壁寄りなので、従来のプロジェクタのように観客の陰が画面に映り込むことも無い。天井を加工して重いプロジェクタを吊す必要も無い。そもそもプロジェクタは、カメラの逆、光源にレンズだけのしろもので、液晶パネルのような物理的に巨大な「もの」は皆無。部品自体も少ないので欠陥も少なく、製造コスト、販売コストは、液晶と較べるまでもないほど、将来的に削り込んでいける。そして、この4K版が、今年度中に各社から次々と発売されてくる。ビジネス用から家庭用まで、さらには、屋外や地下道の広告まで、世界中のテレビやモニタ、ポスター等々は、ほんの数年で、劇的に短焦点プロジェクタに置き換わっていく。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。