経営者よ、コミットせよ! 成果を生む人財・組織開発に(3)

2007.12.11

組織・人材

経営者よ、コミットせよ! 成果を生む人財・組織開発に(3)

斉藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表取締役 代表理事

 シリーズ(2)の前回では、組織の全体性をみながら成果を出すための人材開発の施策を考えるHPI(Human Performance Improvement)の考え方についてご紹介いたしました。

 シリーズ(2)の前回では、組織の全体性をみながら成果を出すための人材開発の施策を考えるHPI(Human Performance Improvement)の考え方についてご紹介いたしました。

HPIでは、全体性を見るための「分析」のプロセスをとても重要視しています。つまり、個々の施策を行うためのニーズ調査というよりは、成果を上げるための条件は何かを「人」の問題だけではなく、その「人」と「人」が関わってできている「組織」や、組織の仕事上の相互関係をみる「プロセス」という総合的な観点からも分析します。

「何」を成果を上げるための人的施策としなければならないのかは、その分析過程にでてくる「原因」によって「処方(インターベンション)」が違ってくるので、「研修のニーズ調査」や「コンピテンシ分析のための調査」というように、特定のソリューションを想定した分析は、最後の段階で出てきます。

ところが、前回の最後にも書きましたが、日本の多くの企業での人材開発の現状を見ると、そもそも「研修」をやる、というところからスタートして、研修を提供してくれるコンサルタントや研修提供ベンダーに来てもらい、自分たちの“Wants”にマッチングするものを選択する、という現状になっているのではないでしょうか。

ケースA:
 クライアント:「うちの従業員満足度調査の結果、マネージャーが上手くコミュニケーションしていないことが、モチベーションや仕事の成果を上げるための阻害要因になっているようなんだ。で、マネージャーの研修を強化することになったんですが、何か良い研修を提案してください。」
 コンサルタント:「そうですね。当社の○○○マネージャー研修でしらた、コーチングのスキルも着きますし、権限委譲の考え方、目標管理の考え方などもカバーしていますから、○○○研修ではいかがでしょうか。」

ケースB:
 クライアント:「今、当社では、若手から『キャリアパスが見えない』と不平がでており、キャリアを考える機会を与えなければならないと考えているんですが・・・」
 コンサルタント:「そうですか。では、当社にキャリアカウンセラーの資格を取った講師がおりますので、キャリア構築研修をしてはいかがでしょうか?」

それぞれのケースの問題はなんでしょう?ケースAの場合、一見調査に基づいているようですが、一面的な「マネージャー個人」としてのコミュニケーションスキルにしか注目していません。もしかしたら、その原因は、仕事量の増加による対面時間の不足という別の物理的原因もあるかもしれません。その場合、いくらマネージャーに対して、コミュニケーションやコーチングの研修を施しても、それを実際に使う部分は、全面的に「本人」の時間の工面にたよるしかないかもしれません。もし、その傾向が全体に見られることであれば、その物理的原因を取り除くためのITによる仕事の効率化ができる部分はないか、やコミュニケーションの場を作る仕組みも必要かもしれません。

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斉藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表取締役 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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