カネと時間を生かす

2014.02.02

ライフ・ソーシャル

カネと時間を生かす

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/同じカネと時間を使っても、生きるのがうまい人は、それを費やさず、資産に換え、自分を豊かにし、その資産とともに生きる。人生の中で経歴資産を積み上げ、そこに次々とレヴァレッジをかけていってこそ、人間は自分自身を作ることができる。/

 誰でも簿記は最初に習っておくべきだ。重要なのは、フローとストックの概念。同じ使ったカネでも、費用支出と資産購入では、意味がまったく異なる。たとえば投資物件の購入は、カネを使ったとはいえ、相応の資産として保持され、必要に応じてふたたび換金でき、それも元の額より多くなる。一方、見栄を張っただけの過剰な広告宣伝のようなものは、まったくの消費支出で、後にはなにも残らない。

 同じことが個人についても言える。生きるのがうまい人とダメな人の違いは、カネの使い方、時間の使い方にある。生きるのがうまい人は、カネと時間を生かす。つまり、資産に換え、自分を豊かにし、その資産とともに生きる。たとえば車の免許。自動車学校は費用のように見えるが、きちんと免許を取得すれば、それは一生使える。学歴や語学なども同じ。逆に、ダメな人は、カネや時間をドブに捨てる。ゲームだの、ブランド品だの、そのときは楽しいのだろうが、しょせん遊びで、結局、なにも残らない。もっとダメな人は、まさに小人閑居して不善を為すの言葉どおり、せっかくのカネや時間を、酒や悪事に費やす。飲んだくれて体を壊し、やるべきではないことをやって、自分の人生を棒に振る。

 カネや時間は無限にあるわけではない。とくに時間は生ものだ。後に取っておけるわけではない。その場で使わないわけにはいかない。だからこそ、それぞれの年齢、年代に、それぞれの年齢、年代に応じた最善の資産化によって、ずっと生かすことが求められる。まだまだ先が長い、若いうちは、どうせろくにカネも無いだろうから、その長い先にずっと役立つな基礎的な勉強に時間を使うのがいいだろう。それによって仕事とカネを得、あわてず、あせらず、良い伴侶を見つけ、心安らげる家庭を持つことが、生活の安定をもたらす。そしてさらに、家庭を足場に、ある程度の経験と自信がついたところで、自分にしかできない仕事に取り組み、自分自身を仕上げることが求められる。

 ありきたりな話だが、これがありきたりなのは、このやり方が人間の道理にかなっているからだ。最初から一発狙いで無理をすれば、若いうちに心得ておくべき常識が抜け落ち、ずっとツケとなって、その後の長い人生に足を引っ張り続ける。また、いい年をして色に狂えば、地位も肩書も失い、家族からも見放された不幸な晩年を送る。これらは、自分の資産を壊すために、それどころか自分自身を殺すためにカネと時間を使ったようなもの。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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