プロのジャーナリストなんか電波芸者だろ

2013.07.11

ライフ・ソーシャル

プロのジャーナリストなんか電波芸者だろ

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/汎用ジャーナリストなんて、いっちょかみだけの話芸。シロウトのうえに、片足が業界保身だから、コメントにキレが無い。番組や雑誌の制作は、そんな連中に頼らず、話題ごとに語るべき人を掘り出してきてことこそ、本来の仕事じゃないのか。/

 東京にMXなんていう余計なテレビ局ができたときは利権臭さが充満していたが、97年にFM東京に買収されてから、他の全国ネット局では考えられないような、えらいぶっとんだ番組を流すようになって驚いた。その典型が、夕方帯の『5時に夢中!』だろう。ああいうのを見ると、べつにテレビなんかに出なくても本業で喰えてこその本音のコメンテーターだよなぁ、と思う。

 かつては、何年もかけて対象に密着し、地道に調べ上げて本を書く、なんていう硬派のジャーナリストもいた。だけど、いまじゃ無理。そんな本、数百部も売れない。取材経費でワリが合わない。あの頭ちりちりのおばおじさんの田中角栄批判あたりからおかしくなった。通俗週刊誌とタイアップして、決めつけと思い込みでスキャンダルを煽りまくる。どんどん粗雑にヨタネタを「飛ばす」。一方、テレビじゃ、とにかく大衆受けが肝心。ろくに勉強もしていないくせに、なんでもかんでも出しゃばってきて、世間の風向きに合わせ、困ったことですね、ふう、などと、眉間にシワを寄せて、いかにも世を憂いているかのようなポーズだけ。評論家はもちろん、政治部の記者まで、裏で、政党の講演会などで法外なギャラをもらってるくせに、よくやるよ、と思う。

 もともとジャーナリズムは、17世紀末のカフェで生まれた。株式会社のブームで、自前の大金を投資をするのに正確で最新の国内外の情報が絶対的に必要とされていたからだ。ところが、現代のジャーナリズムは、暇つぶしの娯楽。なんだかよくわからない有名人たちへの好奇心や嫉妬と、社会参加しているかのような錯覚を与えるガス抜きのためにだけに存在している。だって、番組を見て、記事を読んで、コメンテーターの意見を参考に、視聴者や読者が自分の財産や人生を懸けるわけじゃないだろ。

 もちろん、ジャーナリストの側にも言い分はあるだろう。俺達にだって本音はある。やりたい仕事はある。だけど、そんなことをやったら、この業界では喰えなくなるじゃないか。まさに電波芸者。番組や雑誌という御座敷で三味線を弾き、視聴者や読者、そして取材対象という御大尽たちに気に入られてナンボの商売。どんな分野の話題でも体よくこなし、あたかも丁々発止の論戦をやってみせるが、べつにその分野に自分自身まで投げ込む度胸もなく、しょせんはいっちょかみの「話芸」。お笑いのボケやツッコミと同じ。

 だが、どのみち専門外なら、片足が業界内の保身で硬直しているプロの「ジャーナリスト」なんかより、捨て身上等、の、ほかにまともな本業のある連中の本音コメンテータ-の方がおもしろいに決まっている。それどころか、ほかに本業がありながら、特定の分野に関して自腹を切ってまで長年に渡って調べ上げてきていて、ヘタなプロの評論家なんかよりはるかに詳しい、という熱烈マニア、執着正義漢というのもいる。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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