イメージ企業の末路

2013.03.26

経営・マネジメント

イメージ企業の末路

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/バブル当時の人気企業がダメになるのは、自分を売ることしか考えない口先連中が、現実市場を無視した強弁の社内洗脳で昇進したから。A級戦犯の役員たちこそ店頭客足の最前線で会社のキャリアデザインを考え直すべきではないのか。/

 ソニー、セゾン、サンケイ、サントリー、小学館・集英社。学生の間で4Sとか、5Sとか言われていた、80年代バブルのころの人気就職先。東大からも、経営企画をやるんだ、なんて言って、こういう浮ついた会社に入ったやつらは多かった。だけど、いま、大変。電通っぽいイメージ先行のハッタリばかりで、結局、バブル以降の新企画なんか何も出せなかった。なのに、この場に及んでもまだ、リストラのことですら「キャリアデザイン」なんて言うんだと。五十を過ぎて、先のキャリアも無かろうにねぇ。

 80年代、経営戦略やマーケティングがバカみたいにはやった。こうすれば勝てる、これが当たる、大ヒットの仕掛け人、等々、当時の雑誌を見ると、インチキくさい連中が自信たっぷりに語りまくっている。経営者たちも、ソファーにふんぞり返って大言壮語。社内でも、サンプル商品だかなんだか、ろくに使い物にもならない未発売のものをどこかから入手してきて見せびらかしているやつらがいっぱいいた。そいつらが、ガキのくせに、「異業種交流会」とか言って、一流ホテルに大会場を借りて21世紀の経営者ゴッコ。とはいえ、これまた実体は、男探し女漁りの場にすぎず、痴情のもつれで、みんな空中分解。

 正直なところ、そりゃああいうホイチョイなやつらがリストラ対象になるのは、ある意味で当たり前だとも思う。四半世紀もの間、戦後レガシーの上にあぐらをかき、見かけ倒しの一発狙いばかりやって、社会に潜行する根深い問題に目を向ける本当の意味でのマーケティングなんかやってこなかったのだから。

 たしかに、ネーミングやイメージで売れる、ということはある。だけど、ネーミングやイメージだけで売れ続ける、ということは絶対に無い。会議室で口の立つやつらにまくし立てられていると、新興宗教の洗脳みたいになる。それで、それに反対するのは、頭が悪い、それどころか、気が狂っているかのような、社内の無言の圧力が生まれる。だが、やつらは、自分を売ることしか考えていない。それをほんとうにやったら会社がどうなるか、ほんとうに社会にそんなニーズがあるのか、なんて、考えてもいないし、考える能力も無い。だから、やつらの言うことを聞いていると、やつら本人だけは社内で出世するが、会社はひっくり返る。オンリーワン戦略、とか言って、自分の得意分野以外を潰してしまったり、あれもこれもくっつけてシナジー効果、なんてやって、生産体系も経理責任もぐちゃぐちゃにしてしまったり。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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