最近の「ブラック企業」や「体罰」で思うこと

2013.02.15

組織・人材

最近の「ブラック企業」や「体罰」で思うこと

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

法治国家であるはずの日本において、法律を無視した議論や肯定論がまかり通る現状にちょっと疑問を感じ始めてきたので。民法715条の再確認を。

最近は、いじめ自殺、体罰自殺、ブラック企業で鬱になる等々の不幸な出来事がニュースなどで取り上げられるようになってきており、それに対して肯定・否定の様々な意見が見られるようになりまして。

まずは、堅いお話し

日本には、日本国憲法で定められた法令として労働基準法そしてそこから派生した労働安全衛生法があります。

戦後直ぐの法令のため、現在のようなサービス業や知的労働をほとんど想定していないことから、法律上は「労働時間と賃金」が直接的にリンクしているのが現状です。

さて、ブラック企業というものを考えるとき、まずは法治国家日本の国内であるならば、その法令に従って考えるべきだと思います。

ただ、労働基準法と労働安全衛生法のすべてを理解して経営するということは難しいでしょうから、もう少し簡単に考えてみたいと思います。

労働基準法では、労働の対価として賃金を支払うことを定めています。
そして労働するということは、就業するということで、会社が定めた就業場所において仕事をするということです。
その「時間」に対して「賃金」を支払うことを義務としています。

では、サービス残業や長時間労働、ハラスメントは、就業場所だからといって、なぜ許されるのでしょうか?

例えば「道路交通法」で考えた場合、車に乗っているときにシートベルトをしない、制限速度を守らない、クラクションを鳴らして前の車を煽る。といった運転が、なぜ認められるのかということと同様ではないかと思います。

確かに制限速度 40km/hのところを 100km/hで走れば、運転者だけは希望に沿った早さで目的地に到着できますが、それを良しとするのは本人だけでしょう。ブラック企業とはそういう感覚で営業しているということと変わらないと思うわけです。

もし運転中にそんな運転をしている人間を見つけたら、かなり距離を置いておかないと変な事故に巻き込まれるかもしれないと、普通の運転者なら気づくはずのですが…ブラック企業だとそうでもないみたいです。

ただ、法律を守らないということは、取引先が法律を守らなくても文句を言わないと宣言しているようなものですから、国内企業の99%以上が中小企業である現状で「下請法」が徹底されなかったら…恐ろしすぎます。

「景品表示法」や「PL法」が徹底されなかったら、消費者は安心して財やサービスを購入することができなくなります。

法令という観点から考えたときに、ブラック企業は「就業経験が多くできて良い」といったような意見に違和感を持つのは、そのあたりの使い分けが個人の判断に委ねられるという「弱さ」にあるのではないかと思うわけです。

次のページ次に、やや堅くないお話し

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

フォロー フォローして荒川 大の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。