相談とは名ばかり

2013.01.13

仕事術

相談とは名ばかり

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/なんの能も実績もないやつに限って、すぐ人に頼って、相談だ、会議だ、と言う。そのくせ、なんの聞く耳も持たず、一方的に面倒を押しつけてくる。だが、そんなものに関わったら、キミがほんとうに守るべきものの方を失うことになってしまう。/

 ちょっと相談があるんだけど、などと言われたら、あぶない、あぶない。それ以上、いっさい何も聞かずに電話を切った方がいい。それは、絶対にまともな相談なんかじゃない。金を貸してくれ、手を貸してくれ、名を貸してくれ、等々、一方的な頼みごとだ。キミがなにか意見したって、まったく聞く気などあるまい。いや、すでに人の話を聞く余地など無くなってしまったから、キミに頼っているのだ。そいつは、かってに自分で始めてしまったくせに、収拾がつかなくなって、他人を巻き込もうとしている。そんなデタラメなやつの後始末になんか、なんで関わる義理がある? すでにトラブルになっているのだろうから、話を聞いたという事実を作っただけでも、いまあの人に相談中なんだ、などと、やつにかってに名前を利用され、いずれ渦中に引っ張り出させてしまう。

 会議もそうだ。会議というのだから、みんなで話し合うのか、というと、そんなことはない。話は、全部もう決まっている。それを一方的に伝達し、ただ同席させて連帯責任を負わせる。つまり、決めたやつは、本来はかってに決める権限もないくせに、独断で決めてしまうような、職務分掌も無視するいいかげんな野郎。そのうえ、伝達されるのは、そいつがそれこそ職務分掌も理解せずにかってに決めた、わけのわからない妄想プランで、やる前から破綻しているのに、その正体不明のプランの分担だけが割り振られる。あのなぁ、机上で考えるのは簡単だが、現場はそのとおりにはいかんのだぞ。まず先に現場の意見を広く聞いてから話を考え始めろよ。と思っても、もとより、そんなデタラメのやつに人の話を聞く耳は無い。

 相談でも、会議でも、関わったら最後。関わった事実が出来てしまった以上、途中で投げ出すこともできない。だが、問題はそれだけじゃない。なんの義理も無いのに、キミがそいつが引き起こした面倒の後始末に掛かりきりになれば、キミが本来所属している部署やキミの家族の方ですぐに揉め事が生じる。なんでキミがそんなことをしないといけないんだ、それはキミの仕事じゃないだろ、そんなヒマがあるなら、そんな余裕があるなら、云々。その文句の言い分の方がもっともだ。しかし、キミは引き受けてしまった以上、本当の身内の方に屁理屈を言い立てて、よけいに雰囲気を険悪にしてしまう。だが、それもこれも、キミが必要のない面倒を引き受けてしまったのが悪い。

 あいつが話があると言うんだから、まずは聞いてやろう、というのだけでも、人望や信任というものが必要だ。それを築き上げるには、長年のウィンウィンの実績が必要だ。ところが、最近、その真逆の、何の能も実績もないやつに限って、すぐに、相談だ、会議だ、と、人に頼る。ようするに、自分一人ではなにも出来ないから、人を集めて、という発想らしい。だがな、仕事は、進路指導や学級会じゃないぞ。仲良しごっこでもない。自分の仕事は、自分でやれよ。自分でできないなら、自分で責任を取って辞めろ。それに、他人は、儲けの無いことはやらない、関わらない、聞きたくもない、というのが当たり前なんだよ。たとえ知り合いでも、あんたの友だちでもないし、子守役でもない。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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