日本経済と暴力団(『週刊エコノミスト』2000号(1992)から)16/17

2011.08.28

経営・マネジメント

日本経済と暴力団(『週刊エコノミスト』2000号(1992)から)16/17

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

『朝まで生テレビ!』(1992)の番組資料としてまとめられ、『週刊エコノミスト』2000号(1992)に論文として掲載されたもの。ヤクザや暴力団についての概要を知るための資料。17分割で再録。著作権は著者が保持。

16) 2011年の追記

それにしてもヘタな文章だ。「のである」がいくつあるのやら。だが、手を入れ出すと、時代資料としての位置づけが曖昧になるので、いじるのは止めた。そのうえ、00から始めてしまったので、17分割で数字が合わないが、この16/17が最後の節。

で、その後の20年だが、当時の記事の予想のように、バブルもはじけて、社会的な分け前の減少とともに、むしろ政治政党はもちろん、一般企業、一般市民まで、総ヤクザ化した、という感が強い。徒党を組み、仲間内で勝手に決めたことを平然と国民や顧客に押し付け、生産拠点の海外移転で脅して弱い下請を締め上げ、「健康食品」などというイカサマ薬で年寄りから大金を巻き上げ続ける。まともな家のまともな娘がロクに勉強もせず芸能人になりたがるとか、人がうらやむほど本業で稼げている者がわけのわからない畜牛投資や為替取引、競売物件に手を出すとか、人間としての生き方のタガがはずれてしまったのだろう。

警察も、弁護士も手に負えない悩みごとをヤクザはすぐに解決してくれた、そのうえ、礼などいらん、と言われた、そうでなくても、不動産や飲食業で何十億も稼いだ、オレって天才、などと、触れ回って歩くバカな芸能人は、そりゃ、のさばらせておくのはまずい。釣りエサとして、背中に糸が付いているのがわからんのだろう。こういう芸能人に仕事で世話になったり、彼の経営する店に出入りしたりすれば、ちょっと世間のグチを言っただけで、この芸能人は気をきかせてかってにヤクザに話をもちこみ、ちゃちゃっと解決してくれてしまう。そうなったら、今度は、あなたが釣りエサだ。

ヤクザは、銀行と同じで、あちこちに「貸し」を作っておくことで、レバレッジをかけ、自分の威力を膨らましていく。いつでもあいつを動員できる、逆らえばいつでも潰しをかけることができる、という潜在能力を持っていることこそが重要なのであって、核兵器同様、そうそう簡単に、あなたを動員したり、あなたからカネを巻き上げたりはしない。しかし、それでも、充分に効果はあるのだ。開店初日にどこぞの組の親分が飲みにきた、などという所を荒らすチンピラはいない。ややこしい競売物件でも、入札者のケツ持ちがその筋なら、そりゃ、安く買えて、複雑な権利関係もなぜかすんなりときれいなって、すぐに高く売れるだろう。ただ、アウトサイダーのヤクザは、つねにインサイドの釣りエサを必要としている。ヤクザといえども、裏のカネは、表のやつに洗濯させないと、どこにも使えない。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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