広告代理店の世論操作にはもう騙されない

2011.08.04

営業・マーケティング

広告代理店の世論操作にはもう騙されない

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

広告代理店は、売れてます、東京ではやってます、などというバンドワゴン型プロパガンダで、大衆を騙してきた。だが、ネット時代に、なにがはやっているか、など、一目瞭然。連中の関わったモノは、むしろまったく売れていないのがバレてしまった。企業も、テレビでCMなどやっていると、よけい売れなくなることに早く気づくべきだ。

古くは太陽王ルイ14世。毎度、奇抜な格好をして登場。すると、次の舞踏会までには、みんなマネをする。マネをしないと、舞踏会で居場所が無い。王の寵愛を得られない。そんな風に流行は始まった。

だが、いま問題となっているのは、このような模倣追随による一般大衆側の主体的な流行ではない。マスコミの、バンドワゴン型プロパガンダ、と呼ばれる流行の捏造だ。ドガチャカ、ドガチャカ、鳴り物入りでやってきて、もうみんな乗っているよ、早く乗らないと時代に乗り遅れるよ、損をするよ、と、繰り返し、繰り返し、ガナリ立てて、人々を追い詰めて洗脳していくやり方。

日本は、明治の絶対的中央集権とともに、ゴミのようなものを、東京ではやっている、と言い張って、地方の連中に騙して売りつけるインチキ商法が急速に普及した。たとえば、テキ屋の寅さんも、銀座の一流デパートでお姉ちゃんに、ください、ちょうだい、で、いただきますと、五千、六千は下らない品物、とやっている。

こんな下品な田舎者騙しのテキ屋商法を、戦後の高度成長期末期に、潰れかかってやけっぱちになった角川(『犬神家の一族』1976~)がテレビを使って大々的に展開。これがうまくいってしまったものだから、バブルに入って、テレビ局や新聞社は、自社事業局を爆発的に拡大。他人の商売の宣伝より、自社の事業の宣伝。電波の私物化。アナウンサーをタレントに仕立て、ニュース番組でまで平然と自社イベントの宣伝をするようになり、住宅展示場から、ドラマのタイトル曲のプロモーション、そして、映画への進出と、どんどんと手を広げていく。そのうえ、出版社や玩具メーカーも、メディアミックスだとか言って、変身ものやロボットもの、少女ものを次々と無理やりはやらすべく、子供たちに宣伝の十字砲火を浴びせる。文学ですら、『なんとなくクリスタル』(1980)あたりから、読み捨ての流行りものとして、たちまち何万部! というように、売れていることばかりをウリにするようになった(実際は売れてもいないのに大量に刷り増して、書店に積み増ししただけ)。さらには、演劇まで、劇団四季(『オペラ座の怪人』1988~)などが大量CMを打つ始末。

ここで暗躍したのが、広告代理店。この世論操作のために、全面大量の広告出稿やタレントの営業出演などを条件に、番組や新聞記事、雑誌本文にチョウチンを割り込ませる。まともな評論家は、試写会などから追放し、テレビ局や出版社に圧力をかけて、番組や雑誌の仕事を干して潰す。恥知らずにおべんちゃらだけを言う「タレント」たちを、おいしい「仕事」で接待して、いかにも、業界で大流行、というようなウソを捏造する。インチキIT実業家たちが熱烈にテレビ局を欲しがったのも、それこそウソ拡声機のテレビ局さえ握れば、株価操作でもなんでも、やりたい放題にできるようになるから。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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