続!東京都青少年健全育成条例にあえて賛成する!

2010.12.08

経営・マネジメント

続!東京都青少年健全育成条例にあえて賛成する!

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/国内のセクハラ問題、世界の人権保護問題からして、どうやってもいずれ日本のマンガやアニメの児童ポルノ表現に対して規制がかかるのは必至だ。それなら、警察が勝手に判断できる刑法175条や児童ポルノ法の改正強化よりも、作り手が加わって自治体で自主審査できる青少年健全育成条例の方が、はるかにましだ。/

 追い詰められたイヌは、助けようとしている者の手にも噛みつくというが、誰が本当の敵で、誰が本当の味方か、騒いでいる連中には、もうわからぬものらしい。だが、やたら吠えても、時勢として、ダメなものはダメだ。いまのあんな都知事がやることか、などという冗談では済まない。まして、ある著名な評論家が、賛成派はみな統一X会の回し者だ、などと言うのを聞くと、それ、ナチスが、自分の反対者はみなユダヤ人だ、と言ったのと同じじゃん、こいつ、どういう人権意識をしているのか、と人間性を疑いたくなる。

 そう、この問題の根本は、青少年育成問題以前に、もっと大きな人権問題だ。まさに今週(12月4日から10日まで)は、人権週間。なんぼ「表現の自由」を掲げても、現行法体系では、ポルノ、すなわち、猥褻物は、刑法175条でアウト。マンガなんだから、被害者がいない、などという発想は、時代遅れ。会社や学校で、人によっては不快感を起こすものの掲示、性的な冗談、容姿、身体などについての会話をすれば、「セクハラ」になる。まして、公共の場、一般の書店なども、ダメに決まっている。相手の意思に反したら、もうダメ。そんなの主観的で自分勝手だ、とかなんとか、反論してもムダ。相手が、嫌だ、と言っているのだから、その時点で、相手の人権を尊重して、止めなければならない。

 そして、実際、児童ポルノの一種としてのマンガやアニメは嫌だ、という人が現にいるのだから、公共の場や一般の書店ではダメに決まっている。見たがっている子供もいる、などと言っても、それが子供である以上、その保護者(PTA協会など)が、嫌だ、止めろ、と言っている以上、それを無視して、表現の自由だ、一般の書店で陳列して売らせろ、エロマンガのポスターを店頭に貼らせろ、ネットのあちこちエロフィギュアを宣伝させろ、などという規制反対運動そのものが、すでに充分に人権無視の「セクハラ」だ。べつに発禁になるわけではないのだから、性的表現に合意のあるところ、注文販売か、入場制限をかけたコミケの中だけで、内々に、やっていればよろしい。もっとも、これだって、それが児童ポルノである以上、ほんとうはかなり問題なのだが。

 つまり、そこらの書店で、そこのジョシコーセー諸君、オレの太くて長い表現の自由を見よ、うひょひょひょひょー、なんてやってはいけない。はいはい、そういう立派で大切なものは、ちゃんとパンツの中にしまっておきましょうね、ということだ。そして、非実在「黒人」だろうと、非実在「被差別部落民」だろうと、そして、それがたとえフィクションの中であろうと、差別はいけない。非実在の子供であろうと、子供たちの人権を踏みにじるような差別的な表現など、表現の自由として憲法で保護するには値しない。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。