ネット通販が狂ってきている

2010.11.25

IT・WEB

ネット通販が狂ってきている

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/ネット通販は、家にいながらすぐに買い物ができるのが魅力だった。ところが、最近は在庫切れだらけ。それどころか、検索をかけると、関係ない商品ばかりが表示され、ようやく欲しかった商品を見つけても、また在庫切れのサイトに戻されてしまう。/

 ある商品をネット買おうと注文したところ、数日後になって在庫切れで店側から注文のキャンセル。それで別の店で、と思ったのだが、そこも同じ。そして、その次も。そんなこんなで、何件もはしごしているが、一ヶ月かかっても、いまだに手に入らない。ネット通販というのは、遠くの街まで行ってあちこちの店を探さずとも、家にいながらにして、注文すればすぐ届く、というのが魅力だったはずなのだが。店に電話すれば即答してもらえる在庫の有無も、ネット通販ではメールの返事が来るのに数日もかかる。

 ネット通販モール自体も、いまやむごいことになっている。キーワード検索をすると、いきなり数万件もひっかかってしまう。それでいて、その大半が、まったく関係のない商品だ。店側がとりあえず自分のサイトに客を呼び込もうと、関係のない商品にまで、検索の多いキーワードをつけてしまった結果だ。こんな調子だから、在庫有り、で絞り込んでも、みんな、有ります、有ります、とにかくうちのサイトを見て見てください、ということになってしまう。

 一般検索すると、もっとひどいことになる。欲しい商品を売っているサイトが、さらに膨大な数に出てくる。ところが、これのほとんどがアフィリエイトや、二次情報サイトで、結局、どこかのネット通販モール内のサイトに繋がっている。珍しい商品ほど、たった一つの店のたった一つのページに、とんでもない数のリンクが貼られている。だが、そのページは、すでに問い合わせて在庫切れだった店だ。

 何が問題か、というと、ネット通販をやっている店の大半がシロウト商売で、まともな在庫管理システムを持っていない、ということだ。大手の場合、POS(ポイントオブセールス)システムとネット通販が連動しており、店舗ででも、ネットででも、売れたらすぐに在庫管理と補充発注に反映される。ところが、ネット通販モールのニワカ商売の連中は、とりあえず店にあった商品の写真を次から次へアップロードしていくだけで、ほったらかし。おそらく店舗の方ですら、まともに棚卸しもしたことがないのではないか。

 それどころか、昔の秋葉原のパソコン屋のような無在庫商法も横行している。店と言っても、自宅のパソコンだけで、客の注文が来てから卸に商品の発注をかける。これだと、在庫を持たないから、運転資金も、店舗倉庫もいらない。そして、卸のカタログに出ている商品なら、なんでも、在庫有り、だ。だが、実際は、卸で品切れのこともある。それで、客からの注文に、卸に問い合わせて、在庫切れの返事を客まで戻すのに、数日もかかってしまう。つまり、通販の店そのものが、アフィリエイトや二次情報サイトと同じようなものでしかない。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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