環境ファシストたちの狂気の陰謀

2010.08.25

仕事術

環境ファシストたちの狂気の陰謀

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/環境運動による経費節約より能率低下の収益ロスの方が甚大だ。くわえて、そのエセ科学的な妄念で企業活動そのものが乗っ取られれば、会社は潰れる。世界の優良企業と較べれば、いま、この国の職場環境がいかに異様な狂気に取り憑かれ、自滅の道を歩んでいるか、よくわかる。/

 知り合いに、すごい人がいる。スナック菓子やインスタント食品など論外。ソフトドリンクも、添加物だらけだとかでダメ。肉類は、人間をアレルギー体質にしてしまうということで、いっさい口にしない。サカナも、最近は深海まで汚染されているから危険だそうだ。野菜や豆腐も、自然食品屋の完全有機無農薬のものしか買わない。飲み物は、変な根っこの茶だけ。紫外線を避け、雨戸を閉め切り、壁という壁に藁で縛った備長炭をびっしりと吊している。風呂は、十年来、水を換えておらず、その真っ黒な湯に浸かると体から赤や黄色の毒素が浮き出して、肌がツルツルになる、という。一方、水道水は、触れただけでも、塩素で皮膚が焼けただれてしまうとか。テレビやパソコン、携帯電話は、電磁波で脳障害になると言って、持っていない。インドのなにかに凝っていて、ロウソクの灯の下で、その手の本を読み、宇宙の愛を感じて、日々、涙しているらしい。結婚していたが、この「健康的な生活」を強いたため、ダンナや子供たちは数年前に逃げ出した。電話で話すかぎりは、いたって普通だが、やっていることは、どう聞いても異常だ。

 だが、こういう人物は、近頃、会社にもよくいる。冷房28度、暖房20度と言い、4時を過ぎると空調自体を止めてしまう。廊下のスイッチには変な時限装置がついており、15秒で真っ暗。部屋の中の蛍光灯もすでに半分は外され、個々に小さな電気スタンドを使う。昼休みには、その残りの半分の明かりさえも消されてしまうので、薄暗がりの中、みんな、窓際でぼそぼそと食事。水道やトイレも、節水のなにかによって、ろくに水も流れない。パソコンは離席5分で完全停止。電話も、番号を交換に申告して外線につないでもらう。コピー1枚にも、まず上司の決裁。そのうえ、紙は完全リサイクルなので、表も裏もなにか書いてあり、どれが何の書類か、もうさっぱりわからない。

 仕事の能率も意欲も落ち、結果も出ない。だが、少しでも愚痴ろうものなら、目を向いて説教される。いいですか、この緑の地球が滅びてしまったら、会社もなにもあったものじゃないんですよ! 一致団結して、みんなで環境を守らなくてどうするのですか!

 十六世紀末、繁栄するフィレンツェにサヴォナローラという神がかりの修道士が現れ、いっさいの風俗営業を禁止するだけでなく、町中の贅沢品を焼き捨て、市民たちに徹底的な質素倹約を強いた。また、ヴェトナム戦争と前後して、カンボジアではポルポト派が台頭し、すべてのインテリは反共産主義者だ、と叫んで、メガネをかけているだけで、それどころか、字が読めるというだけで、数百万人が虐殺された。やがてサヴォナローラは火あぶりになり、ポルポト派も内部粛正で消えたが、町や国も自滅してしまった。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。