不況下のコンプライアンスは誰のため?

2010.07.07

経営・マネジメント

不況下のコンプライアンスは誰のため?

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

企業・団体におけるコンプライアンス(法令遵守)は時間とお金、労力の掛かるものです。では、なぜこの不況下でコンプライアンスを追求しなければならないのでしょうか。 ポイントは、雇用確保と子どもが安心できるかどうかです。

日本社会はとても安全な社会です。

事件・事故も諸外国に比較して少ない上に、年々交通事故や傷害事件は減少傾向にあります。(『犯罪白書』http://hakusyo1.moj.go.jp/ より)。

さて、時折過剰にもなりうる日本の「コンプライアンス意識」ですが、この意識のおかげで製造業やサービス業などにおいて「高い品質」を追求し、また提供できているのも事実です。

逆に、この過剰さが韓国の現地重視の戦略を許し、日本企業の新たな海外進出を阻み、加えて海外の製品やサービスの導入をも阻むことによって、日本の閉鎖性を維持してきたとも考えられるのかもしれません。

◆ 守る前に守られていることを考えてみる

コンプライアンス(法令遵守)なんてそんなに拘ってもお金にならないという意識はいつも、どこでも聞かれることなのですが、それは何によって会社が守られているのかという事実をどれだけ正確に把握しているかによります。

例えば「下請法」。仕事をしてから入金までの期間を定めている法律として解されていますが、この法令がなかったら中小企業の経営は立ち行かなくなるでしょう。

次に「労働安全衛生法」。労働時間は労働基準法で定められていますが、働く環境についての取り決めをしており、これが守られなければ労働基準監督署から指導が入ります。

そして「不正競争防止法」。大手企業がどんなに事業を拡大していっても、この法令がある限り、中小企業には少なからず商機があるということになります。

最後に、これらの日本国内で定められている法令について、遵守できなければペナルティが課せられるわけですが、このおかげで安心して事業を営めるということになります。そして遵守する法令を選択することはできませんので、全てを守る必要があります。

◆ コンプライアンスは誰のため?

コンプライアンスやCSR(社会的責任)などを勉強すると必ず出てくる言葉が「ステークホルダー」でしょうか。

株主、顧客、従業員、地域の方々など幅広く事業運営にかかわる可能性のある方々を指しているわけですが、その全てに何か取り組みを行ったところで会社が儲かるわけではありません。

しかし、コンプライアンス遵守は、企業の信用力を計る一つの指標となりつつあり、遵守していない企業に対しては「製品やサービスに対する不信感」として跳ね返ってくることになります。

例えば、不衛生な環境での食品製造、不具合を隠ぺいする機械製造、サービスレベルに見合わない価格設定など、社会常識と乖離する製品やサービスに対する日本人の目は、日に日に厳しいものになってきています。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

フォロー フォローして荒川 大の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。