解雇相談の変化とキャリア意識の差が表すもの

2009.12.03

組織・人材

解雇相談の変化とキャリア意識の差が表すもの

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

最近受けた解雇に関する相談内容の変化について、ちょっと気になることがありまして…。 なんだか調子が悪いと感じる企業幹部の方々へメッセージと、やっぱり解雇はタブーだと思う方々への自己防衛について

この点を整理してみると、企業幹部としてやるべきことが見えてきますし、そのやるべきことが整理されていれば、雇用形態が柔軟になっている今だからこそ管理監督者の存在が重要となり、またもし解雇となれば、それが不当だと言うこともできます。

◆ 何から始めるのか? > 個人に対して

遠い昔に受けた管理職研修のマニュアルでもいいですし、書店でリーダーシップ論の書籍を手にとっても良いでしょう。仕事に自信が持てなかったり、何が問題か分からなければ、人材紹介ではないキャリアカウンセリングを受けても良いでしょう。

いわゆる棚卸というもので、管理職であれば労働組合や社外ユニオンなどに助けられるケースは少ないですから、やはり自分自身を見直し、理論武装し、モチベーションとコミュニケーションを管理する技を持つ必要があります。

◆ 本当に解雇したいと考えるならば…3ヶ月間で > 企業に対して

最後に、それでも「解雇をしたい」と考えるならば、改善プロセスは3ヶ月で実行するべきです。

解雇予告というものがありますので、1ヶ月では無理。また、6ヶ月なんていう悠長なことは言ってられないケースも多いですし、対象者が明確な「管理監督者」であれば、解雇要件は比較的、あくまでも比較的ですが緩くなりますので、経営者と人事部門の実行力が問われます。

但し、非管理職については、現行法令では「懲戒」以外の解雇はかなり難しいため、解雇したいと考える場合には、6ヶ月~1年の猶予期間を置いて改善を促す必要があるでしょう。

また「パレートの法則」を信じるならば、急激に優秀な社員だけの組織を作ろうとしても失敗するでしょう。高業績でなくとも組織に活力を与える、潤滑剤となる人材の配置はとても重要です。

◆ 社員に報いるという意味では好意的に理解すべきかも

個人向けのキャリア形成支援やメンタルヘルスのカウンセリングも時間が許す中で提供していますので、そもそも「問題を起こす社員」は入社からきちんと教育を受けていないケースが多く、「うつ状態の社員」は特定の上司(会社側が問題があると分かっている社員)の下で発生するケースが多い現状にあって、ようやく企業も根本治療に向かい始めたのかなと好意的に捉えているのですが、やはりまだまだ日本では「解雇はタブー」ですから、その対応は慎重に進めて頂きたいところです。

景気が回復すれば、こんなことを考える必要もないのでしょうが、年末から年度末を控え、また経済対策もあまり期待ができず、円高が進行する現状においては、自分で自分の身を守る必要があるということだけ、感じたままに書いてみました。

通常は、解雇前提の採用なんてできませんから、非正規雇用は増えていくことになるのでしょうが、民主党政権下で労働者保護が強力に推し進められるようなことになれば、事業継続の観点から、正しい解雇プロセスが重要になるかもしれません。

※1.うつ病と診断され休業を行った社員の解雇は法令に従わなければなりません。その手前で作業効率が著しく低下した社員を指しています。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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