パンデミックBCPを内部統制の二の舞にしてはいけない

2009.10.04

経営・マネジメント

パンデミックBCPを内部統制の二の舞にしてはいけない

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

リーマンショック以降「内部統制」というフレーズをあまり目にしなくなりましたが、最近では監査法人の赤字決算も含めて、様々なゆり戻しがきているのかなぁと感じています。 これからのパンデミックBCPを考えると、同じ流れにならないか心配です。

パンデミックBCPの支援を始めてもうすぐ1年が経ちます。
その間、多くの企業様のご相談を受け、またセミナーにもお越し頂いてその時々に合わせた対策をお話しさせて頂きました。そういった機会に決まって受ける質問があります。

「なぜ、パンデミックBCPなんかやろうと思ったのですか?」と。

お答えするのは、現在対応している内部統制対応の人事総務部分の業務処理統制対応支援や、上場企業のBCPプログラム導入支援を通して感じていることとして、とにかく大手企業が考える対策にしても、大手コンサルティング会社が提案している内容にしても「最大限の対応」が多いということです。

過剰にお金を使って、社員のためなのかどうか分からない「対策」という名目のコンサルティングが多すぎないか?という思いもあり、特にパンデミック対策は「感染症予防」を基本とした事業継続計画が必要ですから、事業戦略や業務プロセスから考えることも重要ではあるのですが、組織管理や人事労務管理に詳しくなければ「最小限の対応」が検討・判断しにくいということが挙げられます。

実際、10月から感染状況が最高潮になるだろうと思われている新型インフルエンザですが、どこまで経済活動に影響があるのかは誰も分かりません。

自分が休んだ時に、誰が代わりに仕事をやってくれるのか?

自分は、誰が休んだ時に仕事が増えるのか?

会社が潰れないように、どの事業は止められないのか?

だけでも、社内で相談されているかいないかで状況は変わってきますし、大切なことは事業継続という観点よりも、現在の業務に関する契約が不履行にならないように、いかに対策を講じるか。という小さな視点であることをより明確にする必要があります。

パンデミックBCPについては、過剰に事前対策を講じたところで、会社や部門、部署の従業員の半数が1週間お休みとなれば、構築した対策は行使できない可能性も残ります。この1週間の業務縮退が、経営を揺るがさなければ人命尊重で会社をお休みすることを発表するだけでよいのではないでしょうか。

IT業界に多く見られますが、これだけお盆休み期間を取らない企業が増えても、例年通り「お盆休み」を連絡し営業が休止するところがありますし、それで経営不安になる会社はありません。

正しいパンデミックBCPは、計画策定ではなく、取引先や顧客の信頼を失わない、小さな対策の積み重ねが重要であることを知って頂きたいと思います。

◆ 2009年10月8日(木)に厚生労働省の方とセミナーを開催します。
http://www.learningsite21.com/course/ec/e012.html

大規模BCPよりも、日々の業務レベルでの対策のあり方をご紹介させて頂きます。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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