日本には新型インフルエンザの第二波が二度到来する?

2009.10.01

ライフ・ソーシャル

日本には新型インフルエンザの第二波が二度到来する?

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

最近の報道や新型インフルエンザ対策セミナーの案内を見ていると「秋からの第二波」などの表現があるのですが、第一波が盛り下がったデータは見当たりません。実際、秋から冬を乗り切れても不安が残ります。

国立感染症研究所のレポートを読んでいまして、ひとつ気になることがあります。

http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2009d/37douko.html

それは、このレポートの中で「定点当たり報告数は第28週以降増加が続いており、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。」というものです。

第28週とは、2009年7月5日の週を指すのですが、それより以前は季節性インフルエンザと新型インフルエンザが混在していましたので、新型インフルエンザだけを取り出して考えれば、発生からずっと増加していることになります。すなわち「今も、今までもずっと第一波のまま」ということになります。(厚生労働省の方ともそんな話をしていまして…)。

過去100年間に数回発生している新型インフルエンザは、必ず2回以上の波があることは実際のデータで報告されていますが、現在の報道機関や大手損保系リスクコンサルティング会社などが発表する「秋の第二波」が仮に第二波だとしても、国立感染症研究所のデータを読めば「2010年中の第三波?」の可能性は高いのではないかと考えられるのです。

実際、今多くのセミナーやニュースで言われている「秋から冬の第二波」ですが、感染者のデータを考えず「ニュースの盛り上がり方」だけを考えるならば、確かに第二波だとも言えます。

あのマスクブームが第一波で、この冬が第二波。学級閉鎖や今後増える可能性がある院内感染などがニュースに取り上げられる「回数」という意味では、第二波と考えることもできるかもしれません。

しかし、BCP(事業継続計画)の観点からすれば、正しいリスク想定が必要となりますので、WHO及び国立感染症研究所や、厚生労働省の発表及び指針に従うとすれば、「本当の第二波(報道での第三波)」にあたる、より脅威となる流行に備える必要はあるのでしょう。

個人的には、この「本当の第二波」が来なければそれに越したことはないのですが、やはりリスクマネジメントの観点からすれば、過去、第一波よりも第二波の方が被害が大きいといわれる新型インフルエンザですから、BCPを含めた対策を進めて頂きたいと思います。

最後に、コンサルティング企業や報道機関が様々な機会で「秋以降の第二波」という表現を強調すればするほど、次の「本当の第二波」に対する警戒心が薄れてしまいますので、その結果として多大なリスクとならないことを願うばかりです。

※神奈川県商工労働部産業活性課 u-Kanagawa推進協議会事務局に中小企業向け新型インフルエンザ対策コラムを寄稿しています。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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