新型インフルエンザと経理財務リスクについて

2009.07.28

経営・マネジメント

新型インフルエンザと経理財務リスクについて

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

パンデミック対策支援とJSOX対応の業務処理統制支援を提供していると見えてくる、パンデミック発生時に抱える経理・財務リスクについて書いていきます。

7月25日に米国CDCは、新型インフルエンザの感染確認の全数検査を取り止めると発表しました。感染者数が4万人、死者300人を越えた段階で、実際には100万人以上の感染者がいることが想定されるとのことで、全数検査の意味がないと報告がなされました。

日本では、まだ感染確認者数が5000名(といっても、4000名が確認されて1週間以内に5000名に到達)ですが、米国の状況に照らして考えるならば、感染者数が12万5千人以上といった状況と同じと考えられます。やはり日本の健康保険制度と医療制度は十分に機能しているのだろうと考えられるわけです。

さて、ここでは数回に分けまして、新型インフルエンザが蔓延した時(パンデミック時)の財務的リスクについてまとめておきたいと思います。

元々、経理・財務の各業務について会計士の方々のように詳しい訳ではないのですが、内部統制関連の仕事が増えていく中で、新型インフルエンザの蔓延による「リスク評価」「会社法で定める取締役会の責任」の2点が気になっていまして、概略だけでもまとめておきたいと思います。

◆項目一覧

1.ERM(エンタープライズ・リスクマネジメント)に組み込みにくい新型インフルエンザ対策
※会社法362条への対応

2.新型インフルエンザの蔓延による「リスク想定」
※厚生労働省の新型インフルエンザ対策はSARS対策の援用なので過剰対策になりやすい

3.新型インフルエンザ対策をしなければならない理由
※会社法施行規則98条1項2号への対応(危機管理体制/取締役)
※会社法施行規則100条1項2号への対応(危機管理体制/取締役会)
※会社法施行規則100条1項5号への対応(子会社の管理)

4.BCMに基づく事業継続と事業中断リスク
 ①BCP構築の前のBIA再考
 ②主力事業への影響について
 ③サプライチェーンへの影響について
 ④売上減と固定費への対応について

5.財務報告に求められるパンデミック対策の重要性

最終的には「大したこと無かったじゃないか」で終わることが最もありがたいのですが、ニュージーランドにおける感染状況「再生産数」の研究結果から、今回のパンデミックは最大で全人口の80%近くが感染して終息するという発表もあります。

国内ではタミフル耐性の新型インフルエンザが確認され始め、元々の鳥起因の新型インフルエンザのリスクも無くなっていない状況ですので、リスクマネジメントの一環として一度はお考え頂きたいテーマだと考えています。

次回は、1.ERMとパンデミックの関係について書いてみます。

株式会社ENNAでは、社内実務担当者向けのパンデミック対策フォーラム(http://bcp.jpn.org/)を開設しています。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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