新型インフルエンザの風評対策 vol.5

2009.06.04

経営・マネジメント

新型インフルエンザの風評対策 vol.5

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

風評対策という形にしにくい取り組みを書いていますが、ある企業からの問合せで気になったことがありましたので、マニュアルの効用について考えてみます。

まずは、1つ質問です。

【前提】
売上を上げるために営業強化を行いたいと考えています。

【問い】
「営業強化をするために、営業担当の社員全員に営業強化の書籍を配って自分達で考えなさいと伝える」は正しい行動でしょうか。
また、ご自身の勤務する企業ではそのような業務改善を実施しますでしょうか。

リスク対策を考える上で、どこまで対策するのかは重要なポイントになります。

新型インフルエンザだけではなくBCP全般におけるリスクマネジメントで考えますと、災害発生時は正しいコミュニケーションが取れるとは限りません。それこそ緊急連絡網を作ったとしても、そもそも携帯が繋がらないとかメールが送れないとか。メールサーバーが社内にあれば、それだけで十分なリスクを背負うことになります。新型インフルエンザだけは通信機器にダメージは少ないと考えられますが、話す側の人間には多大なダメージがあるでしょう。

風評対策を行う上で、大切なゴールは「社員が自律的に動けるように、判断基準と行動指針を与え、共有し、練習し、会社として行動できることを確認すること」と言えます。

例えば、飲食店でも携帯電話販売店でも、チェーン店の運営を考えれば都内で開いている店と休業している店があるとか、複数名で運営している業務を1名しか出社せずに無理やり対応している状況であるなど、様々なあってはならない状況が想定されます。(『餃子の王将』さんだけは、各店舗毎の裁量が大きいため顧客は統一感を気にしないかもしれませんが…)

今回のコラムでお伝えしたいことは、「新型インフルエンザ対策」を行っている企業担当者が書籍やマニュアルだけに頼って社内対策書類を作り上げたとしても、それ自体はリスクマネジメントのスタートラインに立っただけであり、社員への浸透がなされなければあまり意味をなさないということです。

最近では様々な「新型インフルエンザ対策」の書籍が発刊されていますが、どれも社員との共有という部分が弱いので、是非とも対策を担当されている方、特に総務部門の方が対策を講じ易くなるように、経営に携わる方には「リスクマネジメント」の観点を重視し、また対策を講じることの意味合いを社員の方々へ伝える機会を作って頂ければと思います。

社内通達を作成すれば対策がうまくいくわけではありません。

もし社内で、働き方や賃金を決めているはずの「就業規則」について全社員が十分に理解していない状況があるのであれば、新型インフルエンザ対策などは余計に関心を持ってもらえないと考えるのが普通です。

しかし、リスク発生時に機動的に動けることが操業停止や社内での二次感染を防止する重要な要素となりますので、社内での共有方法、プロセス管理については十分にご配慮頂きたいものです。

ちなみに昨日で日本国内の感染確認者が400名を超えました。まだまだ蔓延という感じではありませんので、今のうちに夏以降の第2波への準備を進めて頂きたいと思います。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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