新型インフルエンザの風評対策 vol.1

2009.05.26

経営・マネジメント

新型インフルエンザの風評対策 vol.1

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

例えばですが、東京都内の大型商業施設のあるテナントに勤めているスタッフで新型インフルエンザ確認のニュースが流れました。皆さんはどれくらいの期間、訪問を取りやめますか?

日本国内の新型インフルエンザが終息しつつあるという官房長官談話がありましたが、慎重な発表を心がけているWHOでは「夏以降の新型インフルエンザの第2波の到来」について積極的な発言を始めています。

季節性のインフルエンザと同様に扱うべきとしながらも、何故、10代の感染が多く、慢性疾患(糖尿病や喘息)の患者や妊婦が重症化しやすいのかという点については解明されていません。米国では砂漠地帯で感染が確認され、現在は中東でも感染確認がされている新型インフルエンザですから、本当に夏に弱るものなのか疑問も残ります。

さて、本コラムでは数回にわけて「企業が取り組むべき風評被害対策」について書いていきたいと思います。また、本コラムを書く上で参考としている風評被害は、O157やメタミドホスによる食品被害を中心にしています。

■ 風評とは?

事故や災害などに関する報道によって、特定地域における商品やサービスに対する品質の低下や提供されるリスクを想定して、消費行動が低下していくこと。またそれらによって同一エリアに展開する無関係な業種業界が影響を受けること。またそのネガティブイメージの集合体が勝手に作りだす悪影響。

■ 関西では何が起きたのか?

発症が確認された学校へのクレームが数十件確認されています。
マスクの徹底がなされていなかったという報道によりウィルスを持ち込んだと糾弾された学校もありましたが、その後別の高校ではマスクを徹底した生徒の感染が確認されたため沈静化したようです。

ネガティブ情報を正しく覆す情報が提供されない限り、クレームが集中することは避けられませんし、中には、感染させられたと訴えてくるような事態になるかもしれません(個別ルートでの感染は証明が難しいので裁判になっても棄却されると思いますが…)。

■ 発症が確認された場所や店舗へ訪問できますか?

感染者が入院又は自宅待機となり、商業施設を清掃・消毒すれば翌日からでもその場所へ訪問することは可能なのですが、積極的に行こうとは思わないでしょう。この思考の連鎖が風評被害の主な理由となります。

対策の実施と状況説明が徹底されなければ、代替するサービスや商品を提供する場所へ訪問先を切り替えるのが普通です。この心理的な防衛を変えることは並大抵のことではありません。

■ 誰でも罹る病気なので、本来は発生源と認識されることはない

新型インフルエンザですから、その場所で発生するためには外部から持ち込まれなければなりません。急に目の前で発生する病気ではありません。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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