新型インフルエンザの「推定死亡者数は最大64万人」の影響について

2009.04.07

経営・マネジメント

新型インフルエンザの「推定死亡者数は最大64万人」の影響について

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

景気対策75兆円の中で69億円の対策費が計上されている「新型インフルエンザ対策」ですが、ミサイル問題に肺結核とパンデミックの演習のようなリスク(事件・事故)が発生しています。感染症対策については現実が政府発表をはるかに凌駕する深刻さです。

昨日から芸能人の肺結核のニュースが報道されていますが、東京都の対策窓口には100件以上の電話相談が寄せられているようです。
肺結核も法定伝染病ですので、発症すれば隔離による長期の化学療法が必要になります。先進国の中で、もっとも結核の発症者が多い日本ですから、新型インフルエンザを含めた感染症対策に対する意識の低さと合わせて、パンデミック発生時の不安が残っています。

2008年7月に厚生労働省は新型インフルエンザ発症と感染・死亡について、以下の資料を公開しました。
http://www-bm.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/09-11.pdf

・新型インフルエンザ発症者は、最大3200万人(人口の27%)
・新型インフルエンザによる死亡者は、最大64万人(人口の0.5%)

より詳しい実態としては、昨年の日経BPのインタビュー記事(WHO インフルエンザ協力センター長 田代氏)が掲載されていますので、こちらをご覧頂ければと思います。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index.html

田代氏のインタビューは、あまりにもリアルな内容なので、ちょっと不安を煽るかなと心配にもなります。記事の中では「鳥の世界における鳥インフルエンザは既にパンデミック状態にある」といった説明があったり、推定死亡者数を600万人以上としています。医療の立場からすると当然のことなのかもしれませんが、政府見通しの甘さと現実を見据えた記事になっています。

実際は、厚生労働省の発表する数値の示す通り、数ヶ月間に断続的に発症者が出てくるわけです。週単位で考えれば、数百万人の発症が地域を移しながら、感染者を変えながら推移していくと想定されますので、経済全体で考えれば、対策次第ではあまり影響を受けない可能性も残っているのかもしれませんが、田代氏の記事を読む限り「北斗の拳」の世界も垣間見える状況です。

パンデミックそのものは定期的に発生しており(1918年「スペインインフルエンザ」、1957年「アジアインフルエンザ」、1967年「香港インフルエンザ」、1977年「ソ連インフルエンザ」)、最近は10年周期で発生していましたので、次回の発生は時間の問題と考えられています。

パンデミック対策は、企業の人事・労務を担当される方だけでも、ご自身の健康を守るために身につけておいて頂きたい情報だと思います。
社員が社内で身体の変調を感じれば、まずは上長、そして人事へ相談にいくでしょう。その際の対応を間違えれば、特に法定伝染病であった場合には、上長及び人事担当者が罹患するという事態になります。そのための対策だけでもおこなって頂ければと思います。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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