「氷河期なのか?」が生む2010年入社の新卒採用の問題点②

2009.03.05

ライフ・ソーシャル

「氷河期なのか?」が生む2010年入社の新卒採用の問題点②

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

ようやく帝国データバンク社から「雇用」に関する実数値が発表されました。かなりインパクトのある報告となっていますが、その内容についてもう少し考えてみたいと思います。

正社員採用、約5割の企業で「予定なし」
~ ワークシェアリングは約4割の企業が「推進すべき」、課題は「従業員の士気低下」 ~

参照)TDB景気動向調査(特別企画):2009年度の雇用動向に関する企業の意識調査
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w0902.html

ここで注目すべきは、2009年度の正社員「採用増加」は11.2%へ低下、「採用予定なし」が半数弱という記載でしょう。

この数値は、株価が7000円台での調査結果ですので、今の6000円台が見えている状況で考えると、数ヶ月以内にもっと悪い数値になる可能性があります。

その背景は「株価の下落が及ぼす影響」。株価が下落する理由はエコノミストの方にお任せするとして、とにかく様々な影響が出てきます。
まずは、大手企業に多い課題として関連会社の株式を資産に繰り入れている場合は、その価値が減少しますから、引当金(現金)が必要になります。しかし、銀行も自己資本比率での縛りがありますから、株価下落に伴う資本の目減りで貸し渋りせざるを得なくなります。
また、退職金の原資を運用している場合、その不足分は企業が補填しなければならなくなります。ですので、株価の下落が続くということは、人件費にならないコストが増大して採用を止めざるを得なくなるという状況を生みます。

さて、就活学生のメンタルヘルス管理のためのSNSを運営していますが、今のところは大手企業の選考が中心になっているため、まだまだ景気の影響は見えていない状況です。参加学生には、できるだけ今月・来月で就職活動を終えて頂きたいものです。

これからの課題は、その大手企業の採用活動がひと段落する来月から、引き続き展開する中小企業の採用活動へどれだけの学生が移行できるかということにかかってきます。

このような記事を書くと不安を煽っているというご指摘を受けることもありますが、多くの企業が採用をしないと明言している状況においては、リスクマネジメントの観点からあらゆる手段を準備しなければならないわけです。

それは2000年前後の就職氷河期を経験した方であればお分かりになると思うのですが、非正規社員で社会人生活をスタートした方が、正規雇用の社員になることの困難さは尋常ではありません。そのことを踏まえて、しっかりとした活動をして頂きたいですし、今年と来年に関しては、就活学生のご両親にも状況をよりリアルに理解して頂きたいと考えるわけです。

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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