人事が「解雇」を実施する前に考えておきたいこと

2009.01.09

経営・マネジメント

人事が「解雇」を実施する前に考えておきたいこと

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

「解雇」を避けるためには、会社が「解雇」について正しく理解していることが重要です。もしかすると解雇しない方が良いこともあります。 そして、リストラの第一弾としてスタートする「管理部門の縮小」から「解雇実行」にかけての人事労務担当者のストレスを軽減できないかと考えています。

デフレ経済に移行している中でもっとも気になることは、売上の減少だけではなく利益の減少です。固定費や融資返済などのコストが、デフレ経済下においては相対的に高くなっていくことになりますので、そのためには売上アップとコストダウンの両面を同時に強化しなければなりません。

また、当社にてヘッドハンティング人材を紹介していた企業先でも、事業を安定的に継続するためには「整理解雇」ができず、優秀な派遣社員や契約社員を契約終了にはしたくないということで、現在問題のある正社員から順番に「指名解雇」できないかという相談が増えてきています(ネガティブリスクについては当ビジョナリーの増沢氏が書かれた『内定取消し問題をコーポレートブランディングから考える』をご覧下さい)。

さて、当社があえて「解雇支援」を掲げる3つの理由ですが… 【解雇マニュアルはこちら】

■ 退職(職業選択)の自由から会社を守らなければならない

人事実務を経験すれば誰しも感じることだと思いますが、社員が退職していくということはとても悲しいことです。私自身コンサルティング業界という人材の流動性の高い業界で人事実務を担当していましたので、入社は嬉しく、退職は悲しいものでした。

一度、社内で解雇をスタートすると、優秀な社員は賃下げリスクを想定して転職を考え始めるようです。実際に、採用を止めている企業でも、同業他社からの転職であれば歓迎している企業もありますので、そういったリスクも想定して、人員構成を固めていく必要があります。

整理解雇を始めてしまうと、整理対象外の社員の流出を止めることも、新規に採用することもできず、事業が成り立たないと判断し整理解雇を止めても、モチベーションが下がった組織を維持するところからスタートしなければなりません。(また、整理解雇を行った会社へ入社したいと考える方もいませんので、長期的な採用リスクとなります)。

■ 採用活動と同時にできない解雇では意味がない
良くも悪くも、解雇ができる時代に入りました。多少理由が弱くても「このご時世だから…」という理由だけで解雇が行われる可能性が出てきているといえます。そのような経済環境において、人事担当者の抱えるストレスは計り知れません。

整理解雇は企業信用に傷がつきますので、会社都合での解雇よりは本人都合での退職をして頂いた方が経営者にとってはメリットがあります。また、派遣社員や契約社員に働いてもらいながら、役員報酬にも手を付けずに組織のスリム化ができるならば、その方が組織全体の力を無理に削がずに危機に備えることもできます。

次のページ■ 解雇を行ったことで抱える人事部門のリスクを緩和しな...

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荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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