セカンドライフというオンラインサービスが注目を浴びている。IBM、電通、トヨタ自動車といった大手企業も進出を試みるこのサービスは、果たしてビッグビジネスのチャンスとなりうるのだろうか。
セカンドライフとは、サンフランシスコに本社を置くリンデンラボ社が運営する、ネット上のバーチャル世界である。
ユーザは、この3D仮想空間の中を自由に歩き回り、ものを作ったり、それを売買したりしながら、他のユーザとのコミュニケーションを楽しむことができる。
2007年4月時点で、世界中で約600万人のユーザを有し、過去12ヶ月の月当たり平均ユーザ増加率は33%にも及んでいるのだから、一大コミュニケーション・プラットフォームとして注目が集まるのもうなずける。
セカンドライフはどこがすごい?
実際、この仮想世界のどこがすごいのだろうか。いくつか、その特徴を挙げてみた。
1.あらゆるものを作り、そして使うことができる
セカンドライフでは、キャラクターが身に着ける洋服を作ったり、「プリム」と呼ばれる基本オブジェクトを組み合わせ、家具や建物、さらには自動車を作って運転することも可能である。作成したものの所有権は作成者にあり、作ったものを他のユーザに販売して、お金を稼ぐこともできる。
2.リアル・マネー・トレードが可能
セカンドライフ内での売買には、「Linden$(リンデンドル)」と呼ばれる仮想通貨が使用されており、リンデンドルを現実世界の通貨と交換することが可能である。
年間数千万円の収入を得るユーザもいるということで、日本でもたびたびニュースにとりあげられている。
3.土地を所有し、そこでビジネスを展開することができる
セカンドライフの世界は、「シム(SIM)」と呼ばれる256メートル四方の土地が集まって構成されている。シムは、実際にはサーバの1CPUが処理する領域であるが、セカンドライフの住民は、リンデンラボ社からこの領域を購入し、その土地を利用してビジネスを行い収入を得ることが可能である。
映画「マトリクス」を彷彿とさせる仮想世界である。これが、急速に拡大しているとなれば、ビジネスの期待はいやがおうにも膨れ上がるのではないだろうか。
相次ぐ大手の進出。あなたはいつまで傍観できる?
セカンドライフには、先にあげた企業のほか、Mixiや Reuters 、スウェーデン政府までが進出し、話題を集めている。また、セカンドライフ関連ビジネスを手掛けようとする企業が、日本でも続々と増えている状況だ。
ビジネスをしている人間とって、まさに浮き足立つような状況だが、一方でセカンドライフの展望を疑問視する声も多い。
ここで、はやる気持ちを抑えたい冷静なあなたのために、セカンドライフのマイナス要因もいくつか紹介しておきたい。
次のページ新しい世界を楽しもう。
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2007.07.03
2007.07.06
株式会社インフォアスリート 代表取締役
1976年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修了。ERP導入コンサルタントとして、企業の基幹システムの導入に携わる。その後、独立して株式会社インフォアスリートを設立。
