サムライの国 日本企業はあなどれないのか?

2008.05.03

ライフ・ソーシャル

サムライの国 日本企業はあなどれないのか?

坂口 健治
クイックウィンズ株式会社 代表取締役

日経平均株価は、久々に14,000円を回復した。ロイター記事によると、外国勢の買いが先行していたようだ。 そもそも外国勢が日本株を買っている理由は、サブプライム問題が一段落していることと、ベンチマークとして日本株を組み入れない投資アロケーションは逆にリスクと捉える向きがあるからだとしており、ファンダメンタルズの好転による買いではないとしている。

記事を見て、先日読んだ「サムライ人材論―アメリカがうらやむ日本企業の強み」Dr.Beck著/グロービス経営大学院監訳 ダイヤモンド社を思い出した。

「サムライ人材論」の主旨(とても粗くなるが)としては「日本はまだまだあなどれない」ということである。その理由は、過去の歴史を見れば明らかであるというものだ。
過去、日本は「孤立」と「協調」を繰り返しながら、誰もがもうこの国はダメだと判断しても奇跡的に回復しており、それは単に「奇跡」ではなく、「武士道」をベースとした文化や精神に根付いたものであるとしている点が、日本人である私には思い浮かばない発想で興味深い。

また、観念的な話にとどまらず、具体的ににアメリカと日本のビジネスマンに「英雄と思う人物」や「日本人のビジネス観」に共通のアンケート調査をしており、客観的にギャップを論じている。このアンケートでの考察は多岐に渡るが、著者の云わんとしているところは、現在の日本人のほうが現在のアメリカ人よりも過去のアメリカ人ぽい発想をしているという点であり、バブル崩壊以降、株価を回復できないでいる日本は(日本人が想像する以上に)海外から見放されているものの、歴史から推定できるように着々と「奇跡」を起こす準備をしているのだという警鐘(単なる分析かもしれないが)である。日本人として何とも勇気付けられる内容である。

一方で、一昨日の日経新聞ではゴールドマンサックスの日本代表が活動拠点をロンドンに移すというニュースもあった。日本に拠点を置くメリットが無いということが理由だそうだ。また、カーライルグループの日本代表の方の講演を先日聞く機会をいただいたが、そこでも日本が如何にグローバルマーケットの中で「特殊」で「魅力がない」かという点について切々と解説を受けた。ライブドアを引き合いに数千億円の時価総額をもつ企業が「出る杭を打つ」かのように葬り去るのは海外では例がないこと、M&Aが企業経営者のオーナー意識により成立しないことは欧米では通用しない旨の指摘があった。いずれもネガティブな内容だ。

この外資系証券会社の拠点移動の事実や世界的プライベートエクイティ会社の意見に対する感想は人により違うのだろうが、個人的に今後日本に「奇跡」を起こすために必要だと感じることは、やや別の視点だ。企業云々も大切だが、まず国家統治の仕組みが変わらなければいけないのではないかということだ。少し上段に構えすぎた話かもしれないが、心底そう思う。

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坂口 健治

クイックウィンズ株式会社 代表取締役

所属企業のカンバン、規模によらず個人が持つ付加価値やパーソナリティでビジネスプロフェッショナルがもっと輝きもっと活躍できる社会への貢献をVisionにQuickWinsを創業。INSIGHT NOW! ファウンダー、運営事務局メンバー

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