デ・ロンド2020:ロックダウン下のヴァーチャル自転車レース

画像: youtube から

2020.04.07

ライフ・ソーシャル

デ・ロンド2020:ロックダウン下のヴァーチャル自転車レース

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/ヨーロッパ各国は、もうひどい惨状。都市はロックダウン、当然、自転車レースも、のきなみ中止。ところが、去る4月5日、日曜、伝統あるベルギーの「ロンド・ファン・フランデレン」は開催された。ただし、それはなんと、ヴァーチャルで、だ。/

ヨーロッパ各国は、もうひどい惨状。都市はロックダウン、当然、自転車レースも、のきなみ中止。ところが、去る4月5日、日曜、伝統あるベルギーの「ロンド・ファン・フランデレン」は開催された。ただし、それはなんと、ヴァーチャルで、だ。

本来、このレースは、約270キロ、トラブルを起こしやすい石畳と急坂だらけで、6時間もかかる。200名近くの国際的な一流選手が出場し、このとんでもない悪路に打ち勝っても、全賞金の総額はたったの5万ユーロ(600万円弱)、1位でも2万ユーロ(約240万円)。だが、このレースは、百年以上も前から続いている。その優勝者の歴史あるリストに名を連ねることは、ライダーとして最高の名誉。ただ名誉のためだけに走る。だが、その名誉が、今年、消えかかった。

ここで代案として出てきたのが、ヴァーチャルレース。その名も「ロックダウン・エディション」。リアルレースに出るはずだったプロのトップライダー13人が名乗り出た。自転車をスマートトレーナーと呼ばれる架台にセット。これがコースの坂道などの負荷を再現してくれる。ヴァーチャルレースのプラットホームは、定評のあるBKOOL社のもの。これが各地でばらばらにこぐライダーたちの走りのデータを1つのレースとして再現する。

メカニックもいないし、サポートカーも、途中補給も無し。ボトルは自分で横のテーブルに並べておく。場所も、自室だの、廊下だの、けっこうなさけないところ。暑いからか、向かい風がないと気分がでないからか、前にはせこい扇風機。途中でそばに子供が来て、とうちゃん、なにやってんの、とか、話しかけたりする。在宅のテレワークと同じ。

これが、ライブストリームで世界配信。コースはラスト32キロのみで、45分ほどのレース。キャラクターのスーツは、それぞれ実際のチームのものだが、全員が同じ体型、同じ顔。石畳のはずが、きれいな二車線の舗装路だし、最近のヴァーチャルゲームなどと較べると、景色の描写も、かなりちゃち。自転車が走り抜けるヨーロッパの田舎の町や山の風景を楽しみにしている私からすれば、かなりのがっかりもの。

それでも、妙におもしろかった。ふつうのレース中継では、プラトンと呼ばれる群走で風をよけて走るので、個々のライダーの様子はよくわからない。ところが、今回は、ヴァーチャルの方はともかく、リアルカメラが、ヘルメットもサングラスも無しのライダーを個別に映し出すので、全身汗まみれで、負荷のかかる「急坂」をアップアップしながらこいでいる様子までよくわかる。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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