セブンイレブンの真のオーナーはフランチャイズ加盟者

画像: photo AC: ドンベイ さん

2019.03.08

経営・マネジメント

セブンイレブンの真のオーナーはフランチャイズ加盟者

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/加盟金は、実質的には出資。したがって、「セブンイレブン」という「看板(のれん)」の真の「資本金」は、約700億円で、その76%がフランチャイジーのもの。くわえて、Aタイプの場合、土地や店舗も「現物出資」しているので、この比率は、実際はもっと高い。/

ダブルスタンダードは、いけない。自立し、努力せよ、というのなら、店舗に相応の裁量権があって当然。逆に、「業務命令」や「業務指示」が全面的に及ぶのであれば、契約上にどうあれ、それは被雇用者で、労働環境の健全性も無視して100%のノルマ給で扱き使うのは、その契約そのものに社会良識として不正があると疑われても仕方あるまい。まして、76%以上もの「資本金」を実質的に出させておきながら、その経営参画を全面否定するというのは、ある意味で、資本の「乗っ取り」に等しい。

とにかく、商法が、これほど巨大化するフランチャイジングを想定していなかったのだ。そのスキをぬって、こんな異常な業態ができてしまった。上述のように、フランチャイジーの実質的な出資は、フランチャイザー「本部」をはるかに超える。(名目上、「加盟金」の内訳を、研修費だの手数料だの、わざとフローにしているのが、いかにもあざとい。)だが、同じ看板を上げる以上、すべて同じ「会社」としてフランチャイザー「本部」とフランチャイジー「加盟店」を総体で連結決算しないと、その「企業」価値は正しく評価できない。このような二枚舌の余地がないように、商法を早急に改正する必要がある。

この問題の解決を急ぐ必要があるのは、今後、「出資就職」のような詐欺が横行する危険性があるからだ。若手不足の一方、職の見つからない女性や高齢者、氷河期世代に正社員就職話を持ちかけ、さまざまな形態でなんらかの出資を迫るという手法が流行しかねない。タレントになりませんか、では、まずプロモ写真の撮影を、から始まって、研修費だの、装備費だの、預託金だのを巻き上げる。意図したわけではなかっただろうが、早くきっちり整理しないと、コンビニ問題は、次の特殊詐欺のビジネスモデルになってしまう危険性がある。

なんにしても、進んで協力してくれた加盟店に感謝もせず、負担を押しつけてばかりいるようでは、今後、こんな業態に新規に参加しようなどというバカはいない。もうすぐ契約年数切れで、みな手を引く。社会インフラというのなら、いよいよ本部の責任。病院のように、夜間は各社持ち回りの交代制で、どれかのチェーンの店舗をひとつだけ開けておく、など、事業定義を業界全体で根本から見直すべきだろう。立場の弱い加盟店ひとつが相手だと思って、古い契約を盾に、社会の良識から外れることをやっていれば、いくら「合法的」でも、潰れるときは潰れる。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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