骨格くらいの知識は押さえておく

画像: ビッグアップジャパン

2016.09.06

仕事術

骨格くらいの知識は押さえておく

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

セラピーやコーチングの分野では、あえて抽象的な質問をすることで、クライアントが答えを自ら導くのを支援することがあります。

これは、物事をどう捉え・考えるかのプロセスを扱うだけで、
問題・課題の内容自体には、入り込まないという関与の在り方です。

ビジネス系のコンサルティング分野でも、
コーチング的なアプローチに重きをおき、
ファシリテーションで問題解決に携わることがあります。

ただ、ビジネスコンサルティングの現場で求められることと、
コーチング的なアプローチでできることを理解して、
しっかりと区別する必要があります。

取り扱う対象が人の内面的なもの、
たとえば社員のモチベーション、組織の価値観などなら
コーチング的なアプローチがありえそうですが、
より客観的なもの、
たとえば業務プロセスやITツールなどの仕組上の問題解決で、
議論の中身を全く理解せず、抽象的な質問を当てるだけで、
その場をマネージするのは難しいでしょう。

抽象的な質問は、抽象的な回答しか引き出せない。
でも、ビジネスの現場の、仕組上の問題解決のためには
具体的なアクションを導き出すことが求められます。

いつまでも、抽象的な議論で問題解決ごっこをやっていても、
何も進みません。

ファシリテーターとして会議をリードする立場なら、
すべての内容(コンテンツ)を理解する必要はないですが
少なくても、その議題とされている内容の
骨格となるベースの知識くらいは予習しておく必要があるでしょう。

どんな問題にも当てはまるような抽象的な質問を繰り返して、
あとは内容が分かる人同士が、具体的な解決アクションを
自ずと見つけてくれるだろうというのは、楽観的すぎというか非現実的。

ベースとなる知識が全くない状態だと、
正しい方向性で議論されているか把握できず、
議論をマネージすることができません。

議論の対象となるもののベースとなる知識や情報くらいは、
事前に予習して、整理・理解しておく努力は必要です。
逆に言えば、「自分はその分野は詳しくない」と臆する必要はなく、
大枠だけ押さえておけば、ファシリテーター的な立ち位置から
問題解決に貢献することは可能だということです。

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