B to Bアプローチ必勝法はコショウのGABANに学べ

画像: Shadowgate

2015.07.28

営業・マーケティング

B to Bアプローチ必勝法はコショウのGABANに学べ

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

GABANは株式会社ギャバンの登録商標である。同社は香辛料の輸入・製造販売輸入食品販売を行っている会社である。2003年1月に味の素と業務提携契約を締結。04年8月にはハウス食品とも業務提携契約を締結し、そのハウスとの提携で07年6月には女優・黒木メイサがCMに出演した「GABANポテトチップス」も発売し、近年ではすっかり一般家庭でもメジャーになった感がある。

家庭にもすっかり入り込んできているギャバンであるが、もともとはている。ラーメン店のテーブルの上にひっそり置かれてはいるが、メタリックのシルバーとブルーに「GABAN」のロゴが妙に存在感を放っているあのコショウである。では、いかにしてギャバンはラーメン店をはじめとした外食店に深く食い込むことができたのだろうか。そこにB to B営業の神髄が実は隠されているのである。

ギャバンの製造元にインタビューを行ったW記事には、創業当時の経緯が記述されている。「創業者は札幌ラーメン横丁を一軒一軒まわって、1缶ずつ販売した経緯があります。ブラックペッパーはラーメンに極めてマッチし、札幌ラーメンが全国に広がるのに合わせて、いつしかラーメン屋さんのカウンターになくてはならないものになっていったのです。また、ホテル・レストランのシェフを直接訪ね、品質の違いを説明するために、その場で缶を開けて香りを確かめてもらったり、簡単な料理をつくり納得してもらうよう手を尽くしました」とのことである。

B to BマーケティングにおいてはB to Cとマーケティングの4Pが大きく異なることが多い。Promotionは、CMなどの広告で行われることは少ない。まずは「人的販売」。営業担当者が動いてナンボの世界だ。ギャバンはそれを創業者自らが行ったのだ。さらに、Productも商品そのものの評価だけでなく、商品に関する提案やサポートやトレーニング、アフターサービスなどの付随機能も重要視される。料理を作って提案するなどの施策が奏功していることがわかる。そして、その営業がうまくいくか否かでPriceが大きく異なる。B to Cのようにメーカーが設定している定価や希望小売価格にはほとんど意味がない。「まずは見積から」の世界である故に、製品の価値をどのように伝え、高められているかがキモなのである。その意味ではPlace(チャネル・販路)の設計も重要だ。顧客が簡単に理解できるような商品なら、代理店などを使った営業でも構わないが、説明・説得な必須なようなら直営するしかない。ギャバンの場合、それが創業者自身による営業であったわけだ。

B to Bでもう一つ重要なことは、DMU(Decision Making Unit:購買意志決定・関与者)を洗い出し、動かすことだ。ギャバンの創業者営業の話には、記事の続きがある。
「シェフのお墨付きを手に、そのレストランが取引する問屋を紹介してもらうことで、取扱店は少しずつ増加。この手法が、1980年代には中国料理店や焼肉店でも行われ、今のように全国のあらゆる飲食店で、GABANのコショウが見られるようになった」のだという。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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