儲かってる通販企業は、
空気でわかる。

2008.02.17

営業・マーケティング

儲かってる通販企業は、 空気でわかる。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

全国でも有名な健康食品の通販企業は、月末になると社長からひとりひとりに現金袋で給料を渡される。 確かな成功を納めている通販企業のコールセンターの多くは、自前の手書きツールに溢れている。 経済合理で測れない未知が潜んでいる。 そういう未知が、儲かる味噌であるという話し。

お客様の属性や購買履歴を全部知っているから、
そのお客様と継続してつきあえるとは限らない。
顧客属性や、購買履歴だけで、お客様と話を続けられる時間なんて、たかがしれている。
データベースマーケティングの限界は、そこらへんにあるっ。

・・・かと言って、本当に相手のことが全部わかったら、どうなるのか。相手の考えていることを全部知ったら・・・。私が、嫁さんのことを全部知ったら、たぶん離婚だろう。嫁さんが、私のことを全部知ったら、絶対離婚だろう。
考えただけで、恐いっ。

行きつけの美容院。行きつけのカフェ。行きつけの飲み屋。心やすらぎ、継続して付き合ってるお店ほど、余計な気を遣わないし、余計な話しもしないものである。
根底に流れているのは、「そこそこ互いのことは知っている信頼感」と「互いの未知の部分への好奇心」だと思う。

お客様とのコミュニケーションの維持(CRM)に肝心なのは、
「全部を知る=全部を暴く」ということはではなく、
「信頼の獲得」と「未知の提示」だ。

蓄積されるデータベースは、その有効な材料でしかない。
恋愛においても、家族の関係においても、同じことが言える。
そこそこ知ってはいるが、まだまだ計り知れないとこがありそうな、なさそうな気がする。
そんな「不断の曖昧」が、コミュニケーションの妙というものだ。

商品だけの情報でお客様とコミュニケーションできる量は限られている。
キャンペーン情報だけでお客様の好奇心を維持させるのも限界がある。
通販企業として、お客様と継続的に繋がりたいのであれば、、
「信頼の獲得」と「未知の提示」のためのブランド作りと全社的な社風・教育等の背景を鍛える手段しかない。

成功を持続できている通販企業は、それがあるっ。
底が浅い企業は、コミュニケーションが続かないっ。

艶気のある男は、余裕がある男だと、ある女性が言ってた。
余裕とは、経済的なことも含めての「背景」の深さと大きさだ。
いつまでも、未知な男でいたいと思う。
しかし未だ、怪しい男のままだ。少し反省っ。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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