顧客接点にこそボトルネックが生じやすい

画像: IonicMan

2017.12.19

経営・マネジメント

顧客接点にこそボトルネックが生じやすい

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

企業は激しさを増す競争環境の中で自社の競争優位性や差別化点を精一杯アピールし、何とか顧客の関心をつなぎとめようと工夫している。そのための致命的に重要なポイントになるのが顧客接点だ。しかしそこにこそボトルネックが生じやすい。

私事で恐縮だが、師走に入ってしばらくしたある日の昼過ぎ、何の前兆もなく、我が家でビデオを見られなくなった。何度も接続ケーブルを差し直したが効果はない。テレビ単独では見られるし、テレビ側では「信号が来ていない」と表示される。しかもビデオデッキの小さな液晶画面の表示変遷には特に違和感がない。この時点でどうやら接続ケーブルが故障したんだろうと小生なりに見当をつけていた。

メーカーS社の問い合わせ窓口に連絡したが電話予約には時間が掛かるので、LINEでのチャットでカミさんが症状を伝えた。すると先方からは「症状から判断するとビデオデッキ本体に問題がある可能性が高いので、修理窓口宛に本体を送ってください」との回答が来た。

多分接続ケーブルの故障だと見当をつけていた小生は意外に思い、LINEでのやり取りを確かめたが、メーカーの修理窓口がそう言うのだから仕方ないとビデオデッキを外し、送付準備を始めた。しかし思いついて系列の家電店を探し、連絡した。接続ケーブルの故障だったら系列店にあるケーブルで接続して問題なく映るはずなのですぐ判明して、ケーブルを買えば済むと考えたのだ。

実際にその系列店(あまり近所ではなかった)にビデオデッキを持ち込むと、なぜか(多分、素人が運んだせいでハードディスク=HDを揺らしたせいだろう)電源を入れてもビデオデッキがなかなか立ち上がらない。系列店の店主はすぐに「あぁこれはダメだね。本体がやられてる」と断言して、メーカーに送る手はずを始めようとした。

小生はHDが揺らされた影響とケーブル故障の可能性が高いことを主張して、店にある接続ケーブルをつないでもらったが、さらに1~2分ほど待ってもビデオデッキは立ち上がらない。他の客はいなかったが、店主が「こんな状態になったらまともに機能したことがない」と言い張るのでメーカーに送ることに同意し手続きした。

それから1週間余り、(それまでタイムシフト視聴に慣れ切った我が家の混乱や戸惑いは置いといて)まったく音沙汰がないのでしびれを切らした小生が店に連絡した。メーカーに問い合わせしてもらうと、その夕方に「メーカーのほうでずっと見ていても再現されないそうです」と返事があった。そこで「ケーブルに故障は?」と確かめると、あれこれFAX書類をめくる様子があり、やがて「あー、ケーブル不良とあるね」と一言。要はケーブルが悪かったことが判明したのだ。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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