『オルタナ』の決断と私の迷い

2008.02.08

ライフ・ソーシャル

『オルタナ』の決断と私の迷い

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

『オルタナ』は、2007年4月創刊の雑誌。 「環境と社会貢献と「志」のビジネス情報誌」 がキャッチフレーズです。

オルタナには、
既存のビジネス誌では取り上げられることが
まだまだ少ないテーマ、例えば、

・企業の社会的責任(CSR)
・LOHAS
・環境保護
・エコロジー

についての記事が掲載されています。

同誌は、当初無料配布で読者の拡大を図ってきました。
私は創刊2号から読者になりました。

さて、創刊後しばらくして公表された同誌の方針では、
最初の2万部(人)までは無料で配布を継続し、
以降の新規読者については有料化(1部350円)する
ということでした。

ところが、先日届いた
同誌編集長から既存読者宛のメールによれば、
無料購読を廃止し、

「全面的に有料化に踏み切る」

とのこと。

やはり充実した紙面作成のためには、
資金がもっと必要だということでした。

苦渋の決断でしょう。

しばらくして、
編集長から再びメールが届きました。

上記の突然の通知についてのお詫びでした。

どうやら、当初の約束を翻すことについて、
無料購読者から多くのクレームが寄せられたようです。

私自身もちょっと釈然としない気持ちです。

ただ、「オルタナ」のような雑誌は、
地球環境に対する危機意識が高まっている今、
とても重要な役割を果たす情報誌だと思います。

キャッチコピーにあるように、

高い「志」(こころざし)

を持って取り組まれていることは、
同誌を読めばわかります。

今回の全面有料化も
相当悩んだ末での結論だと思います。

ですから、あえて意見を送ることは
しませんでした。

それでも私は、
購読料を払うかどうか迷っています。

以前と比較して、最近の号は
飛躍的に内容が充実してきています。

ただ、1冊当たり300円を払う価値があるかどうか、
現時点では正直、微妙なところです。
(あくまで私の評価です)

例えば、なんらかの協会や学会に所属するために
「年会費」を払い、その特典として

「会報」

が送られてくるというのなら、
その内容はそれほど重視しません。

しかし、購読料は基本的には

『オルタナ』

という雑誌の内容に対しての対価と考えたい。

雑誌の内容はたいしたことないけれど、
社会的に存在意義があるから(我慢して)、
払ってあげようというのは、
オルタナの制作に携わっている方に対して
失礼じゃないかともと思うわけです。

同じような社会的な意義の高い雑誌に
ホームレスの方が販売する

『ビッグイシュー』

というのがありますが、
これは1部300円の価値がある内容だと、
私は評価しています。

だから、ホームレスの方を支援するということだけでなく、
読みたいから買っています。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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