キーエンスはなぜ飛び抜けた高収益企業なのか?第二回

画像: Seven Atoms

2008.01.30

開発秘話

キーエンスはなぜ飛び抜けた高収益企業なのか?第二回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

営業利益率50%強、日本の製造業ではダントツの高収益を誇るキーエンス。同社はまた、30歳代で1300万超のスーパー年収でも知られる。謎に包まれた実態に迫るため同社から話を聞いた。

第二回
「高収益を支える体制」

「当社はメーカーですが、自社に生産設備はありません。戦略的な選択の結果です(キーエンス経営情報部)」。

■合理性を追求しファブレスへ
キーエンスはメーカーでありながら、自社では生産設備を抱えない。いわゆるファブレスメーカーである。にも関わらず世界初・業界初を連発できることに違和感を覚える方もいるかもしれない。最新鋭の商品を開発するためには、それなりの生産ラインを自社で抱えることが必要ではないのか、そんな疑問が当然出るだろう。

しかし、この問題はセンサという商品の特殊性が解消する。つまりセンサとは大まかに二つのパート、物理的変化の検出部分と信号を処理するアンプ部分から成り立つ商品である。だからセンサの組み立て・加工自体はそれほど難易度の高い作業ではない。

もちろん検出部分には構造面や部品などに高度なノウハウが含まれることも多い。そうしたパーツはキーエンスが自社で対応する。アンプ部分についても重要なのは回路の中身やICのソフトなどで、これも同社が提供する。素材や原材料も基本的に一括購入した上で協力工場に加工・組み立てを依頼する。これがキーエンス流ファブレス体制である。

このやり方には大きく三つのメリットがある。まず自社で生産ラインを持つ必要がないために経営資源を企画開発と営業に集中的に投下することができる。次に素材・原材料調達でボリュームディスカウントを効かすことができる。さらには商品ごとに最適な生産ラインを選択可能。「世界的にも優秀なメーカーが多数存在する日本ならではの環境をフル活用する」のがキーエンス流ファブレスシステムなのだ。

これらはすべて商品がセンサだからこそ実現できるメリットである。だからこそキーエンスはかつて、利益率20%を超えていた事業を売却してまでセンサに特化したのだ。

■なぜ直販でなければならないのか
企画開発、営業に加えて製造工程についてはファブレスが高収益を支える急所であることがわかった。では販路はどうだろうか、キーエンスならではの特長が何かあるのだろうか。

答は「Yes」である。キーエンスは生産財メーカーとしては珍しく完全な直販体制を採っている。

通常、生産財メーカーの多くは販売を代理店に依存する。ところがキーエンスはあくまで直販にこだわる。その理由はただ一つ「直販体制こそが顧客価値の創造につながる」からだ。具体的なモノとしての商品はセンサだが、顧客がキーエンスから受け取る価値は実はセンサそのものではない。

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