SMAP騒動で訓練する逆の視点からの発想

2016.01.20

仕事術

SMAP騒動で訓練する逆の視点からの発想

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

逆の視点を持て。逆転の発想を大切にせよ。ビジネスシーンでよく聞くセリフだ。とはいえ、物事を逆から見るのは、それほど簡単ではない。そんな中で、今回のSMAP騒動は逆の視点から考える格好のネタだと思う。SMAPについて、特に思うことはないが、逆から考えてみるとどうなるだろうか。


育ての親を捨てたのは誰か
仮に「生みの親・ジャニーさん、育ての親・飯島さん」説が成り立つとする。正しいかどうかは、検証しようがないので、あくまで仮説である。ただ仮説とはいえ、現在の一方的な論調に対する逆の視点を提示する核にはなる。
仮説に従えば、育ての親を捨てたのが、現時点で英雄視されているキムタクになる。一方で、生みの親より育ての親を選んだのが、残る4人となるはずだ。現実には、結果的に4人も育ての親を捨てた。4人は飯島マネジャーの遺伝子を引き継いだが、キムタクはジャニーさんの遺伝子を引き継いだともいえるだろう。
ここで論点にしたいのは、キムタクと4人の行動の是非ではない。彼らがどう思っているか、彼らがこの先どうなるのか。そうしたことに関心はない。
それより何より注目すべきは、マスコミの報道ぶりである。マスコミがポジショントークするメディアであることは、改めて言うまでもない。けれども、ここまであからさまに一方的に偏った報道がなされるのはなぜか。マスコミは一体、どのようなポジションを取っているのか。そこにどのような力が働いているのか。


逆の展開だったら、どう見えたか
ポジショントークが展開されること、すなわち、何らかの利害がその背景にあるということだ。仮に、キムタクを英雄視し、4人を許して受け入れるジャニーさんを持ち上げるメディアがあるとすれば、そのメディアのポジションがどうなっているのかを考えてみるのは、逆の視点を意識するよい訓練になるだろう。
ここで逆転の発想をしてみる。
「僕たちは、育ての親を、自分たちをここまで大きくしてくれた人を大切に思います。だから、とても残念だけれどジャニーさんとは袂を分かつことを決意しました。でも、5人の思いは一つで変わりません。どうかお願いです。僕たちをこれからも応援してください」と、仮にキムタクが涙ながらに訴えたとすれば、どうなっただろうか。
マスコミは、どう報道しただろうか。何かでっかい穴が開いて、風通しが良くなったのではないだろうか。

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