失敗させない研修企画の秘訣

2015.08.31

組織・人材

失敗させない研修企画の秘訣

柳田 善弘
株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役

「プロジェクトを失敗させない秘訣は目標を設定しないこと」という笑えない冗談もありますが、企業研修においてもそれは同様です。意識してか無意識にか、あえて曖昧な目標を設定し、後追いで都合のよい評価を行うことで、結果的に高い評価の研修をつくることもできます。 本稿では、研修の企画担当者としてあるべき評価について考えていきます。

一部内容が重複しますが読み返しやすいホワイトペーパーも掲載しています。こちらからダウンロードしてご活用ください。

研修は万能ではない

企業研修の最終目的はいずれも行動の適正化(行動変容)であるといっても過言ではありません。しかし、行動の適正化の手段は研修だけではありません。人材の採用や配置、組織体制の適正化、育成、人事考課や処遇・契約(報酬・懲罰)さらには就業環境の整備等、といったさまざまな手段があります。

Lominger社によるリーダーシップに関する調査結果では、そのスキル習得への貢献は実務経験が70%、上司・同僚・取引先等の関係が20%、研修が10%となっています。10%しかないと捉えるか、10%もあると捉えるかは研修に対する期待値によって異なるでしょうが、育成という領域においてなお研修の役割は部分でしかないのです。

このような状況で、研修企画の担当者は何をめざすべきなのか、研修の目的と目標、そして評価の観点から検討していきます。


研修の目的を検討する

研修で実現できることは組織の施策におけるごく一部であるということを確認しました。
それでは、研修の目的はどのように考えればよいでしょうか。

組織によって実態はさまざまでしょうが、研修担当者の業務範囲は研修目的の精緻化以降であり、それよりも上位の工程は人事部役職者や人材開発や経営企画の担当であるケースが多いでしょう。研修担当者が上位工程の決定内容に疑問を持ったり代替案を示すこと自体はもちろん結構ですが、それはそれとして自身に期待される役割の適切な認識と遂行が非常に重要です。

経営レベルの目標からブレークダウンされてきた研修の目的を、研修担当者が思い込みや勘違い、自己実現のために曲解することは組織運営にリスクすらもたらします。曖昧で便利な言葉を並べず、上司や関連部署としっかり認識を合わせて具体的な言葉で設定する必要があります



研修の到達目標を明確にする

施策の文脈をふまえた研修の役割が研修目的であるならば、その到達地点を明確にしたものが研修目標になります。いわゆる学習における目標という観点では、カークパトリックとジャック・フィリップスが提唱する評価方法が参考になります。

「eラーニングを活用した施策」として検討するならば、どのレベルでの設定も可能ですが、「eラーニングによる学習」と限定するならばレベル1か2までが一般的といえます。

なお、レベル5の評価には多くの時間も費用がかかるため、それらを他の研修開発にあてた方がよいという意見もありますので、選択には注意が必要です。

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柳田 善弘

株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役

社内教育担当者・教育事業者・学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。 特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。 開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。

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