大阪都・無駄使い5倍増計画!

2015.04.30

経営・マネジメント

大阪都・無駄使い5倍増計画!

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授

/市を無くせば、たしかに市の無駄使いも無くなるが、分割したって住民の民度が上がるわけでなし、結局、民意として、やることはいままでと同じ無駄使いでは? その無駄使いための無尽蔵のATMとして利用される、周辺のまともな市民は迷惑千万。/

 ホームページのへんな紙芝居で勉強したぞ。弁護士や政治家としては、屁理屈上等なのだろうが、純粋に論理学の観点から見ると、ひでぇなぁ、この説明を本気で言っているのかよ、と思った。政治のことはようわからんし、名前なんか、府でも都でもどっちでもいいけど、論理のイカサマには、学者として一言ある。


 推進側の紙芝居を要約すると、区はカネを市に無駄に使われている。だから、市を無くして大阪都を作れば区の分け前が増える、という話。わかりやすいが、わかりやすい話は、おうおうに、もっと別の絵図を隠すためのもの。


 市が無くなれば、市の無駄使いも無くなる、というのは、理屈としては当然。だが、それは、「市」としての無駄使いが無くなるだけで、新5区の無駄使いが今後に無いことまでは保証しない。同じやつらを五分割したって、民度が上がるわけじゃなし、やっぱりこれまでと同じ無駄使いをやるだけじゃないだろうか。それどころか、たった一つの市ですらこのありさまなんだから、新5区は、きっと250メートル級の超高層タワービルをそれぞれに競って、さらに五本もおっ建てまくると思うぞ。そないアホなことがあるか、と言うだろうが、府と市ですでに二本も超高層ビルを競っておっ建てよるなどという、アホなことをほんまにやらかしててきた実績があるのが大阪区民の偉いところ。「都」になったって、このアホ加減が治る理由が無かろう。(こっちはアホなこと言うてるだけ。アホなことやってけつかるやつらには、ようけかなわん。)


 これまで「府」の言うことも聞かないで、好き勝手やってきった連中が、しおらしく「都」の言うことを聞くようになるとは、とうてい思えない。まして隣の区の言うことなんか、聞くものか。内政干渉だ、住民自治だ、地域の公平性が足らん、とか言って、図書館だって、体育館だって、ドームだって、動物園だって、植物園だって、科学館だって、区民の民意、区民の総意として、市にあるようなものはすべて、それぞれ自分の区に、他の区よりでかいのを作るぞ。つまり、無駄使いは、むしろいまの5倍に膨れあがり、その拡大競争を止められなくなるんじゃないのか。ここに新規に、得体の知れない民間業者をかませれば、これほどおいしい政治話はあるまい。そりゃ、これに便乗して計画を推進しようという連中が多いのも無碍なるかなというところ。


 そもそも「区」という名前が同じなのが、大きなマヤカシ。これまでの大阪市の24区は政令指定都市の「行政区」と呼ばれるもので、都の下の「特別区」とはまったく法律的に別。行政区は、あくまで市の執行部局にすぎないのだから、市の決定を経ずに使える予算がほとんど無かったのは当然。一方、都の「特別区」になると、じつは、市よりおいしい。ふつうの市なら自分でやらなければならない上下水道や消防、交通、病院、住宅などの面倒は、都に丸投げ。その負担は、堺市や東大阪市、高槻市、さらには千早赤阪村までをも含む都の予算でまかなう。つまり、実質的には、健全な周辺諸市が大阪新5区のカネの面倒をみてやることになる。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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